プロ仕様の倉庫で蔵書を保管、WEB本棚からいつでも取り出せる「BookOcean」


BookOceanに預けた蔵書を管理できるWEB本棚

 本棚に入りきらない本や雑誌を倉庫に預けて、ウェブ上の本棚からいつでも取り出せます――。こんな蔵書管理サービスを2011年1月に開始したのが株式会社ボーディングパスだ。

 サービス名は「BookOcean(ブックオーシャン)」。蔵書を定温定湿の倉庫で保管し、ウェブ上の「WEB本棚」で管理できるのが特徴だ。WEB本棚には、Amazon.co.jpのデータベースから取得した蔵書の表紙が並び、1冊単位でいつでも出庫して自宅に送り返せる。

 蔵書を保管する場所は、ボーディングパスと提携している寺田倉庫が提供する倉庫。企業向け文書保管用途としても使われており、倉庫内の温度は10~28度、湿度は40~65%と、季節や天候に合わせた最適な環境に調節している。

 利用するにはサイト上で会員登録した上で、「スターターキット」を購入する。預けた本をWEB本棚に登録してもらえる「本棚プラン」(専用ダンボール3箱を含む)と、ダンボール箱で預けるだけの「Boxプラン」(専用ダンボール1箱を含む)の2種類があり、どちらもダンボール箱単位で本を預ける。

 本棚プランは初期費用が3150円、ダンボール1箱あたり月額420円、Boxプランは初期費用が525円、ダンボール1箱あたり月額315円。ダンボール1箱に入るのは、文庫本で約100~120冊、ハードカバーで50~60冊。本を取り出す際の手数料は1冊あたり262円、もしくはダンボール1箱あたり210円。どちらも送料はユーザーが負担する。

蔵書を保管する倉庫

将来的にはワインやフィギュアの保管も

ボーディングパス代表取締役の宮崎亨氏

 部屋に収納しきれなくなったモノを預けるトランクルームは、平米単位の契約が多い。これに対してBookOceanは、「ダンボール1箱単位で預けられるのがメリット」とボーディングパス代表取締役の宮崎亨氏は説明する。

 預けた本をWEB本棚に登録してもらえるのも特徴だ。「預かった本はこちらでバーコードを読み取り、Amazonのデータベースから表紙や著者名を登録しています。古い洋書や美術書などにはバーコードがありませんが、それらも無料で表紙をスキャンした上で著者名をWEB本棚に登録しています」。

 個人での利用のほかにも、会計士や弁護士などが事務所に眠っている大量の専門書を預けるようなケースも多いという。「事務所のスペースの関係で、使用頻度の低い本を倉庫で管理してほしいというニーズも多いですね」。

 ボーディングパスは2010年7月に設立。翌年1月にBookOceanをスタートし、WEB本棚の登録数は1万3000アイテムに達した。10月28日には株式会社サムライインキュベートから出資を受け、現在はWEB本棚の新機能を開発中だ。

 具体的には、WEB本棚を他のユーザーと共有する機能を年内に公開する予定。同機能は、WEB本棚のユーザーを“フォロー”することで、そのユーザーの蔵書一覧を閲覧できる。蔵書の貸し借りや売買など、ネットサービスならではの機能も追加するという。

 2012年にはユーザー数1000人、売上高5000万円を目指す。将来的には、ワインやフィギュアを保管するサービスも視野に入れている。

WEB本棚の表紙や著者情報はAmazonのデータベースを活用している

関連情報

(増田 覚)

2011/11/21 12:36