ニコニコ動画、ニベントカレンダーやユーザー漫画投稿など新サービスを発表


 株式会社ドワンゴと株式会社ニワンゴは6日、ニコニコ動画の次期バージョン「ニコニコ動画(ZERO)」に向けたアップデートと新サービスを発表した。

 ニコニコ動画では、サービス開始5周年を契機として、動画共有サイトとしての「原点回帰」をテーマに、次期バージョンの名称を「ニコニコ動画(ZERO)」とすることを2011年12月に発表。新バージョンのサービスを開始する4月29日に向けて、新機能や新サービスを順次発表しており、今回は「新サービス発表会(γ)」として、東京・六本木の「ニコファーレ」にユーザーを招いて発表会を開催した。

ニコニコ動画の「新サービス発表会(γ)」
ドワンゴ取締役の夏野剛氏ドワンゴ会長の川上量生氏

 今回の発表会では、ニコニコ動画関連のイベントを告知できるサービス「ニベントカレンダー」を発表。ニコニコ動画関連の公式イベント情報のほか、ユーザーが開催しているイベントも自身で登録できる。イベント登録はプレミアム会員に限定される。

 「ニコニコ静画」の新サービスとしては、ユーザーによる「マンガ投稿」サービスを3月13日に開始することを発表。これまでも、さまざまなクリエイターによる「公式マンガ」を配信していたが、機能を拡張してユーザー投稿にも対応する。スライドショー形式でマンガを表示する従来の「ニコニコ漫画形式」に加えて、縦スクロールでマンガを表示していく「スクロール形式」に対応。マンガを投稿できるのはプレミアム会員のみで、投稿データ形式はJPEG、PNG、GIF。

 また、電子書籍サービスの「ニコニコ静画(電子書籍)」では、3月6日から講談社作品の第1話を無料配信開始。3月7日からは「金田一少年の事件簿」の新作エピソードを、週刊少年マガジンから1号遅れで毎週水曜日に無料配信する。「金田一少年の事件簿」では、犯人を推理する謎解きクイズもニコニコ静画で実施する。

 このほか、ニコニコ静画(電子書籍)では、小学館「少年サンデー」で連載中の「電波教師」を3月6日から、ニンテンドーDS「ポケモン+ノブナガの野望」の発売を記念したコラボレーション漫画を3月16日からそれぞれ配信。「電波教師」では連動企画として、作品内に登場する新キャラクターデザインの募集も行う。

ニコニコ動画関連のイベントを案内する「ニベントカレンダー」漫画のユーザー投稿が可能に。スクロール形式ではコメントも縦スクロールする
講談社作品の配信が開始「金田一少年の事件簿」新作エピソードも無料配信

 「ニコニコ生放送」では、プロ野球の生中継として、新たに福岡ソフトバンクホークスと横浜DeNAベイスターズの試合を生中継することを発表。2009年から行なっている東北楽天ゴールデンイーグルスと合わせて、年間全216試合を無料で生中継する。

 ドラマ作品では、ディズニーの海外ドラマ「LOST」の全シーズン一挙無料放送を発表。第1弾として、3月31日と4月1日にシーズン1の全25エピソードを一挙放送する。

 映画作品としては、東映の「仮面ライダー響鬼」「忍者戦隊カクレンジャー」「機動刑事ジバン」などの配信や、松竹作品(タイトル未定)の配信、、香港映画ではジャッキー・チェン主演作「ポリス・ストーリー」などの配信を発表した。

横浜DeNA、福岡ソフトバンク、東北楽天のホームゲーム全216試合を無料生中継「仮面ライダー響鬼」など東映作品の配信を開始

4月末開催「ニコニコ超会議」のイベント情報も追加発表

ニワンゴ社長の杉本誠司氏と、ニコニコ超会議広報キャラクターの「ニコニコ超会金」

 4月28日~29日に幕張メッセで開催するイベント「ニコニコ超会議」についても、イベントの追加情報を発表。ニコニコ超会議は、「ニコニコ動画のすべて(だいたい)を地上に再現する」をコンセプトに、幕張メッセの展示1~8ホールとイベントホールを使って開催する巨大イベント。

 会場内は、企業ブースの出展やステージイベントが行われる「無料ゾーン」と、カテゴリー系ブースの出展やステージイベントが行われる「有料ゾーン」で構成される。チケットは前売り1000円/1日、当日1500円/1日。

 展示ホールの上部には、ホール間の境目にあるガラスの部分にユーザーのコメントを投影して表示する予定となっており、会場に表示するコメントの専用投稿欄を用意する。

幕張メッセで4月28日・29日開催展示ホール上部にはユーザーのコメントを表示する予定

 会場内に設けられるブースの例としては、「ニコニコ軽音楽部」ブースにはメーカー提供の楽器による「演奏してみた」セッションスペースが設けられ、プロミュージシャンのゲスト出演やスペシャルステージ、講座などが行われることが紹介された。

 「ニコニコ言論コロシアム」ブースには、田原総一朗氏、茂木健一郎氏、上杉隆氏、津田大介氏、岡田斗司夫氏、村上隆氏などが参加。会場のユーザーを交えながら、メインステージ上で討論を行う。

 「アイドルマスター」ブースでは、ゲームでアイドルの声を担当している声優が参加し、ゲームに登場する事務所「765プロダクション」をリアルに再現する。

 このほか、「ニコニコ超神社」では2組のカップルによる結婚式を実施。「超エンジニアミーティング」カンファレンスではハッカソンを開催。服役中の堀江貴文氏の「ほりえもん」ブースを設置することや、スペシャルゲストとして松本零士氏と動物のアルパカが参加するなど、概要を紹介したドワンゴの夏野剛取締役も「まさにカオスなイベント」と語る内容となっている。

「ニコニコ軽音楽部」ブースにはセッションスペースを設置「ニコニコ言論コロシアム」ブースでは討論番組を実施
会場内ではハッカソンも開催詳細は明らかにされなかった「ほりえもん」ブース

 ニコニコ超会議の参加者向けには、団体貸切で特別運行するブルートレインのツアーも実施する。発表会では、ツアーをプロデュースする向谷実氏が登場して概要を紹介。ブルートレインは4月27日に大阪を出発し、日本海側を経由して4月28日の朝に上野駅に到着。オリジナルのヘッドマークを付けて運行し、車内では向谷氏も参加するイベントを行うほか、「車内アナウンスもやる」「できれば生中継もやりたい」と抱負を語った。

 また、4月28日には、お座敷列車「宴」を使用し、品川駅から海浜幕張駅まで特別ルートで運行する「ミステリートレイン」も実施。ニコニコ超会議の会場にも「向谷倶楽部」プロデュースによる鉄道ブースを設置し、JR九州小倉工場からの生中継による「485系特急公開解体買付ショー」を実施する。

 ニコニコ超会議期間中の夜には、特設ステージでアーティストやユーザーがパフォーマンスを繰り広げる「ニコニコ超パーティー」を開催。今回の発表会では、広瀬香美、JAM Project、℃-ute、高橋洋子、Lia、fripside、H ZETT M、きゃりーぱみゅぱみゅなどの出演を発表。既に発表している出演者と合わせて、総出演者は26組210人となった。

向谷実氏のプロデュースによるブルートレインのツアーも実施ライブイベント「ニコニコ超パーティー」の出演者も多数追加発表

関連情報


(三柳 英樹)

2012/3/7 15:35