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米軍がスマホ位置情報利用のリスクを警告〜「民間人も設定の再確認を」


 米軍公式サイトに「ジオタグ利用にセキュリティーリスク」とする米軍将兵に向けた文書が、3月7日付けで掲載された。

 この文書は、スマートフォンで撮影された写真の位置情報(ジオタグ)が、米軍将兵の命を危険にさらすことを警告し、プライバシー設定を改めて確認するよう警告するもの。 Foursquare、Gowalla、SCVNGR、Shopkick、Loopt、Whrrlなどのサービス名を挙げ、これらのサービスはスマートフォンに一般的なGPS機能を使用して利用者の位置情報を公開し、バッジや割引サービスを提供していることを説明している。

 スマートフォンで撮影した写真の位置情報によって、米軍が攻撃を受けた実例も挙げている。2007年に起きた事例だが、イラク内の基地にヘリコプターの機団が到着した際、幾人かの兵士が写真を撮影してインターネットにアップロードした。敵は写真の位置情報により、基地内のヘリコプターの正確な位置を特定。4基のAH-64アパッチヘリが砲撃を受け破壊された。このように米軍将兵を危険に晒すとして、位置情報機能の利用に際しては特に注意するよう警告している。

 さらにこの文書では、米軍将兵にとどまらず、家族にも関係する一般的な危険だとして注意を喚起する。米軍オンラインソーシャルメディア部門のDale Sweetnam軍曹は、Facebookのタイムライン機能を例として挙げ、「タイムライン機能は、投稿に位置情報を付加しているユーザーの場合、セキュリティー上大きな問題を生じさせる」と警告する。

 Facebook上の“友人”は、誰でもタイムライン上の地図タブを見ることができる。すると、どんなレストランやジムに通っているか、子供の通っている学校はどこか、住んでいる家や通りの位置――日単位、週単位の生活パターンについてまでも知ることができてしまうという危険性を指摘した。数カ月間にわたり個人の生活パターンが把握できれば、犯罪にも利用できることになる。

 Sweetnam軍曹はこうした危険への対策として、「位置情報を使うSNSを利用する場合、実際に会ったことのない人を“友人”として加えないこと」を推奨。「誰をあなたのソーシャルメディアサークルに加えるかの判断に関しては慎重であるべきだ」と指摘する。また、スマートフォンのジオタグ、位置情報機能設定、チェックイン情報の共有設定も見直すよう強く勧めている。

 この米軍の文書は、日本の民間人にも有益な情報だろう。日本では実名によるSNS利用に懐疑的だったが、震災を機にFacebookやTwitterの利用が進み、実名公開をはじめとする個人情報や生活情報の共有への警戒心も薄れている。しかし、SNSによる情報共有は災害時に大きな役割を果たした一方で、日常生活においては犯罪に巻き込まれるリスクを高めるおそれがあることにも十分注意する必要がある。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/3/12 10:49