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電子出版のインフラ整備を目的とした新会社「出版デジタル機構」設立


株式会社出版デジタル機構の設立発表会

 出版社11社が発起人となり、出版物のデジタル化推進を目的とした新会社「株式会社出版デジタル機構」の設立が29日、発表された。

 新会社には、官民ファンドの産業革新機構が最大150億円を出資して最大株主となるほか、角川書店、勁草書房、講談社、光文社、集英社、小学館、新潮社、筑摩書房、版元ドットコム、文藝春秋、平凡社、有斐閣、大日本印刷、凸版印刷の各社が出資。このほか、3月28日時点で274社の出版社が新会社の取り組みへの賛同を発表している。設立予定日は4月2日。

 新会社では、各社の書籍や出版物の電子化、電子化したデータの保管、電子書店や電子取次への配信業務サポート、図書館に対する窓口業務などを展開する。新会社の代表取締役に就任する植村八潮氏は、「出版デジタル機構は、あらゆる端末、あらゆる書店、あらゆる出版社の架け橋となり、すべての著者、読者が参加できる場を作りたい」として、新会社が提供するサービスの名称を「パブリッジ(pubridge)」としたと説明。電子書店などのコンシューマー向け事業は展開せず、電子出版ビジネスの公共的なインフラを整備していくことで、市場拡大を図っていくとした。

 植村氏は、多くの読者がタイトル数の充実を求めているが、一方では多くの出版社において電子化のコストや人的負担が課題となっていると説明。新会社が電子出版のインフラを整備することで、中小出版社や新規事業者の電子出版ビジネスへの参入を容易にし、5年後には電子出版の点数で100万点、市場規模は現在の全出版市場の10%にあたる2000億円を目指すとした。

 当初の事業としては、電子書籍市場の拡大と東日本大震災の被災地域の知へのアクセス向上を目的とした経済産業省の「コンテンツ緊急電子化事業」に参加。国の補助に加え、費用を出版デジタル機構が立て替えて、売上で相殺することで出版社の初期費用が無料となるシステムにより、約6万タイトルの出版物の電子化を予定している。

新会社の代表取締役に就任する植村八潮氏 サービス名称は「パブリッジ(pubridge)」
電子出版のインフラ整備を事業として展開 5年後に電子書籍100万タイトルを目指す

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(三柳 英樹)

2012/3/29 20:16