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「地域型JPドメイン名」新規登録終了、11月から「都道府県型JPドメイン名」


 株式会社日本レジストリサービス(JPRS)は2日、都道府県名と市区町村名を使ったドメイン名である「地域型JPドメイン名」の新規登録受け付けを3月31日で終了したと発表した。一方で、新たに都道府県名を使う「都道府県型JPドメイン名」を11月に新設する。

 また、これにともなうJPドメイン名の管理構造の変化に対応するため、ウェブブラウザーにおいてCookieを扱う際などに用いられる「Public Suffix List」の更新をMozilla Foundationに申請する予定だ。

「<都道府県名>.jp」をより登録・活用しやすく

 地域型JPドメイン名は、例えば「○○○.chiyoda.tokyo.jp」のように、組織・個人が「○○○」の部分を登録できる「一般地域型ドメイン名」と、「metro.tokyo.jp」(東京都)や「pref.kyoto.jp」(京都府)などのように地方公共団体が登録できる「地方公共団体ドメイン名」の2種類がある。地域密着型の利用を目的として1993年12月に登録を開始した。登録数は2012年4月1日現在で2588件。JPドメイン名全体127万8664件のうち約0.2%にあたる。

 しかし近年では「長くて使いにくい」「複数登録できない」といった改善要望が寄せられていたという。そこでJPRSでは、従来の地域型JPドメイン名を、より登録・活用しやすくするために検討を行い、新たなドメイン名空間として都道府県型JPドメイン名を新設することにした。

 新たに開始する都道府県型JPドメイン名では、例えば「○○○.tokyo.jp」や「○○○.osaka.jp」のようなかたちになり、日本国内に住所を持つ組織・個人が「○○○」の部分を登録可能だ。文字列はASCII文字列、日本語ともに対応しており、登録条件などの規則は原則として「汎用JPドメイン名」(○○○.jp)に準じる。都道府県名がドメイン名に含まれることから、その地域に関するサイトの運営やメールアドレスとしての活用が想定される。

 都道府県型JPドメイン名は、通常の先着順による登録受け付けが11月19日にスタートする。これに先だち、登録商標を使った優先登録受け付け期間(7月16日から8月19日まで)なども設けられる。

管理構造の変化に対応、「Public Suffix List」の更新を申請予定

 地域型JPドメイン名の新規登録は終了したが、すでに登録済みのものは今後も利用可能だ。このため、都道府県型JPドメイン名の運用開始後は、「<都道府県名>.jp」で終わるドメイン名は、登録されたドメイン名の階層(レベル)が異なるものが混在することになる。

 従来の地域型JPドメイン名でJPRSに登録できるのは、例えば「○○○.chiyoda.tokyo.jp」というように、第4レベルドメイン(右から4番目の階層)だった。これに対して、都道府県型JPドメイン名では、「○○○.tokyo.jp」のように第3レベルドメインとなる。このように、そのドメイン名を登録・管理している主体がどのレベルかという管理構造が従来と異なってくるため、Cookieの取り扱いなどで参照されるJPドメイン名における管理構造にも変更が生じる。

「都道府県型JPドメイン名」と「地域型JPドメイン名」の違い(JPRS「都道府県型JPドメイン名について」ページより)

 こうしたことからJPRSでは、都道府県型JPドメイン名の運用開始にあたり、ブラウザーにおけるCookieの取り扱いやアドレスバーでのドメイン名の強調表示に問題が発生することのないよう対処する方針だ。

 JPRSによると、ブラウザーにおけるCookieの取り扱いに関する事実上の標準仕様(旧Netscape Communicationsが策定)では、管理主体の異なるウェブサイトに対して強制的にCookieを設定する「Cross-Domain Cookie Injection」を防止するための判定基準として、ドメイン名を使用している。しかし、その基準が現在のインターネットの名前構造を十分に考慮していないため、それぞれのブラウザーの実装依存になっているという。

 都道府県型JPドメイン名と地域型JPドメイン名が混在した状況におけるJPドメイン名の管理構造をブラウザーが正しく判定できなければ、不適切なCookieの取り扱いによる脆弱性(いわゆる「Cookie Monster Bug」)につながる可能性がある。

 現在、Mozilla FirefoxやGoogle Chromeなどのブラウザーでは、ドメイン名の管理構造を判定するために、Mozilla Foundationが公開しているPublic Suffix Listを使用している。同リストは、JPドメイン名を含む各TLDの管理構造を記述した静的なテキストファイルとなっており、現在は約5200行が記述されている。

「Public Suffix List」の一部

 今回、地域型JPドメイン名の新規登録終了と、都道府県型JPドメイン名の新規導入により、JPドメイン名の部分に関して同リストの更新が必要になる。JPRSでは、3月31日に地域型JPドメイン名の新規登録を終了したことで具体的な変更点が確定したとしており、今後、Mozilla Foundationに対してPublic Suffix Listの更新を申請する予定だ。

 なお、MicrosoftのInternet Explorer(IE)ではPublic Suffix Listを使用せずに、独自の方法でドメイン名の管理構造を判定しているという。その結果、管理構造が比較的煩雑な従来の地域型JPドメイン名において、IEでCookie Monster Bugが発生する問題が従来より指摘されていた。JPRSでもこの問題については認識しているとしており、Public Suffix Listを使用していないブラウザーベンダーに向けても情報提供を行うため、今後、自社サイトで情報を提供していく考えだ。

 また、JPRSでは今後も必要が生じた場合、Public Suffix Listの更新・確認を行うとしている。


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(永沢 茂)

2012/4/3 06:00