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米MS、スマホを最適の秘書にプログラミング可能な「on{X}」ベータ版公開

センサーで「歩行」「車中」などを感知


 米MicrosoftのBing開発チームは5日、開発者やいわゆる“ギーク”向けに、Androidスマートフォンをプログラミングできるアプリとウェブサービスを組み合わせた「on{X}」のベータ版を公開した。

 on{X}の使用例を数例挙げると、「夕方に職場の駐車場を車で出発すると、自動的に彼氏に『今職場を出た』とSMSメッセージを送信」「オフィスに着いた瞬間に、位置情報と時間を判断して今日の予定を画面に表示」「朝起きると、画面に今日の天気予報を表示する」などといったことが可能になる。

on{X}のウェブサイト

 これまでスマートフォンでは能動的にアプリを起動して作業を行う必要があったが、on{X}ではスマートフォンが我々の生活を支援してくれ、受け身でいることのできるサービスという位置付けだ。

 Microsoftでは、on{X}のAndroidアプリと、このアプリで利用するための一連のルールを記述した「レシピ」をウェブサービスとして公開している。このレシピは開発者自ら開発することも可能だ。

 Microsoftが公開しているレシピは、「歩いている時にはミュージックアプリを起動する」「3日間ジムに行っていない場合はリマインダーで思い出させる」「彼氏から『今どこ?』というメールを受信した場合、自動的に自分の現在位置を返信する」「オバマ大統領に関連したニュースを毎朝9時にメールする」など11種類。

Microsoftが公開しているレシピ

 レシピを開発する場合、JavaScriptと用意されているAPIを利用する。on{X}は、そのコード内で記述できるイベントの種類として、電源の接続状態やWi-Fiネットワーク接続状態などハードウェアからの情報に加え、ユーザーの状態、例えば「歩行中」「車で走行中」といった動作も含まれる。これらはスマートフォンに搭載されているGPS、加速度計、スピーカーやマイクなどさまざまなセンサーを活用している。

 ユーザーが開発したレシピは、デフォルトでプライベートに設定されているが、パブリックレシピとして公開することも可能だ。その場合はセキュリティ上の問題が生じないようにするため、事前に審査される。

 開発チームによれば、データをクラウドに送信して解析結果をスマートフォンに送り返す通常のアプリと異なり、開発コードをクラウドからスマートフォンにプッシュ送信して、実際の計算はスマートフォンで行うという。そのため、データがスマートフォンを離れることがない。これにはプライバシーが確保されるという大きなメリットがあるだけでなく、ネット接続が不安定な場所でも利用できることになる。一方、これを実現するためには、リアルタイムに連続してセンサーを感知し続けるための電池消費量を減らす開発技術が必要となっている。

 on{X}はAndroid版のみが公開されているが、このアプリ開発の研究開発を行っているMicrosoft Israel R&D Center開発チームでは、Windows Phone、iPhone、Androidなどマルチプラットフォーム向けのウェブサービス開発を行っていることから、将来的には他のプラットフォームに公開される予定があるとしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/6/6 12:02