電書協、EPUB3ビューアーなどに対する日本語組版の要望表を公開


 日本電子書籍出版社協会(電書協)は21日、出版社に対するアンケート調査に基づき、EPUB3ビューアーで出版社が必要とする日本語組版の要素をまとめた「EPUB3.0 日本語組版要望表」を公開した。

 電書協では、ワーキンググループ(EPUBビューア検証チーム)での活動から、EPUB3には日本語の組版表現上足りていない点があることや、EPUBビューアー側の仕様によっても意図通りに表示できないなどの可能性があることがわかったと説明。会員各社に対して組版項目の優先順位に関するアンケートを実施し、その結果をまとめた。

 アンケートでは組版の各項目について、1)これが実装されないと既存の電子書籍の配信ができないもの、2)今後制作予定の電子書籍作りに支障をきたすもの、3)将来的には必要となるもの、4)現時点ではどちらでもよいもの――のいずれかを選択回答してもらい、会員41社の回答を点数化して集計した。

 集計結果によると、EPUB3の仕様となっている項目の中では、文字の外字画像の表示やルビ、縦中横(縦書き中の横組み)、改行や改ページに対する要望が多い。

 電書協では、要望表は現時点での出版社の要望をまとめたものとして、EPUB3の電子書籍コンテンツサービスや、ビューアー設計・仕様の決定をする際には配慮してもらいたいと説明。電子書籍のフォーマットとしてEPUB3が普及する上で、出版社の配信するコンテンツの見え方が損なわれないための活動を今後とも積極的に推進していくとしている。


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(三柳 英樹)

2012/6/21 16:56