JASRACのサイトがアクセス集中で一時停止、Anonymousの攻撃との関連性は調査中


 ハッカー集団「Anonymous」を名乗るグループが、違法ダウンロードへの刑罰化を盛り込んだ改正著作権法の成立に対して抗議するとして、政府機関や政党、著作権団体などへの攻撃を続けている。

 27日夜には、抗議活動に関連して開設したと見られるTwitterアカウントに、日本音楽著作権協会(JASRAC)への攻撃をほのめかす発言が投稿され、28日午前の時点ではJASRACのウェブサイトにアクセスできない状態が続いていた。

 JASRACの広報部に確認したところ、27日夜からウェブサーバーへのアクセスが集中したため、同日22時以降にJASRACの判断でサーバーを停止したと説明。攻撃との関連性は現時点で不明で、サーバーを停止した理由については、安全を確認するためだという。現在、サーバーの運営を委託している業者とともに原因を調査中。サイトの停止中は、JASRACのオンラインシステムなども利用できなくなっていた。

 Anonymousの抗議活動に関するサイトで25日に公開された声明文では、「コンテンツ産業や政治家、政府がインターネットの海賊行為や著作権侵害への対応を強化しているが、それらはしばしば基本的人権の侵害や技術革新を阻害する間違ったアプローチを取っている」と主張。日本で6月20日に国会で成立した改正著作権法に対する懸念を表明し、日本政府と日本レコード協会に対する攻撃をほのめかしていた。

 その後、この行動に関連して開設されたと見られるTwitterアカウントでは、裁判所や自民党、民主党などを標的にするという投稿があり、27日夜には標的をJASRACに変更することをほのめかすツイートが投稿されている。

【追記 19:25】
 JASRACでは28日午後、調査の結果ホームページの機能には問題はなく、安全を確認できたとして、サイトを再開したと発表。ただし、今後アクセスが集中した場合などには、再度閲覧を停止する場合があるとしている。


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(三柳 英樹)

2012/6/28 12:45