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PDFのいじりにくさを解消へ、直接編集機能などを強化した「Adobe Acrobat XI」


 アドビシステム株式会社は1日、PDFソフトの最新バージョンとなる「Adobe Acrobat XI」と「Adobe Reader XI」を発表した。

 Adobe Acrobat XIは、スタンダード製品の「Standard」が通常版3万6540円、アップグレード版1万9110円。上位製品の「Pro」が通常版5万7540円、アップグレード版2万5410円。いずれもライセンス版を16日より受注開始、パッケージ版およびダウンロード版が26日発売。また、体験版を15日よりダウンロード提供する。

 Adobe Reader XIは無料で、15日よりダウンロード提供を開始する。

 対応OSは、Windows版がWindows 8/7/XPおよびWindows Server 2008 R2/2008/2003 R2、Mac OS版がMac OS X 10.6.4/10.7.2/10.8。なお、Windows版は今回より新たにWindows 8に対応した一方で、Vistaはサポートから除外された。XPは継続してサポートする。また、Adobe Acrobat XI Standardは、Windows版のみとなっいる。

「Adobe Acrobat XI Standard」パッケージ 「Adobe Acrobat XI Pro」パッケージ

 Acrobat XIでは、企業における文書業務の簡素化や無駄の解消を追求したとしており、まず、PDFの編集機能を強化した。折り返しの調整、個条書きの項目追加、文字列の検索・置換、フォントの種類・サイズの変更といったテキスト部分の編集のほか、画像の差し替えやトリミング、反転・回転も行える。

 これにより、文書を送信・公開する直前に間違いを発見したり、追加したい項目が出てきても、Acrobat XIからワープロ感覚でPDFファイルを直接修正できるようになる。アドビによると、世間一般のPDFに対する認識として、最終的に内容が固まった文書を公開・共有するためのフォーマットであり、“編集不可”とったイメージがあるという。Acrobat XIの編集機能は、こうした“PDFの常識”を覆すものだとしている。

個条書きの項目追加、文字列の検索・置換といった編集の例

 PDFファイルからOfficeファイルへの変換機能では、文書内の必要な部分だけを指定して書き出せるようになった。さらにProでは、変換先フォーマットとしてPowerPointにも対応。マスターレイアウト、ファンと属性、画像、表などを保持したまま書き出せるという。

 複数ファイルを1つのPDFとして結合する機能では、個々のファイルの内容を確認しながら、ドラッグ&ドロップによりページ単位で順番の入れ換えや取捨選択が行える機能を追加した。PDFだけでなく、Word、PowerPoint、Excel、テキスト、画像といったさまざまなフォーマットのファイルをまとめることが可能だ。

 アドビでは、編集機能をはじめとするこれらの機能追加・強化により、「PDFで渡されても活用できない」「使い回しが利かない」といったイライラが解消されるとみている。そして、手元にPDFファイルしかないような過去の資料の再利用・活用も効率化され、文書業務の時間短縮が図れるとしている。

 このほか、Citrix XenAppなどの仮想化環境にも対応。仮想環境上のAcrobatをタブレット端末などから操作し、外出先・移動中でも文書業務を進められるとしている。タブレット端末向けの「タッチモード」も搭載し、タッチ操作が行いやすいようツールバーやパネルなどのアイコン間隔を最適化してあるという。

 さらにProでは、アンケートなどの回答フォームをテンプレートから簡単にPDF/HTMLで作成できる「Adobe Forms Central」のデスクトップAIRアプリをバンドルする。フォームの配布・収集・集計などをオンラインで行える有料サービスも用意している。料金は、「Basic」が月額1230円、「Plus」が年額1万5700円。無料体験版も用意する。

 同じくProでは、配布するPDF文書のセキュリティ設定をワンボタンで自動的に処理できる「アクションウィザード」機能を強化。例えば、非表示情報の削除、ファイルサイズの縮小、「社外秘」透かしの挿入、編集・コピー制限などの一連の操作を設定ファイルとして保存し、Microsoft Officeドキュメントから直接実行できるようにした。この設定ファイルを社員に配布することで、同様の作業を部門内などで均一に行えるとしている。

「アクションウィザード」の例

 PDFビューアーソフトのAdobe Reader XIでは、今回のバージョンより、すべての注釈機能が使用できるようになった。また、マルチデバイス対応のモバイル版Acrobat Readerでも、コメント付与やフォーム記入などの基本的な注釈作業に対応するため、外出先・移動中のタブレット端末でのPDF文書業務が迅速化するとしている。

「Adobe Acrobat XI」の新機能や機能強化点を解説した、米Adobe Systemsの山本晶子氏(Adobe Acrobat製品担当シニアマネジャー)と、アドビシステムズ株式会社マーケティング本部の小圷義之氏




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(永沢 茂)

2012/10/2 06:00