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Opera、ブラウザーエンジンの変更を発表、新バージョンは順次「WebKit」に

 ノルウェーのOpera Softwareは13日、同社が開発するウェブブラウザー製品のユーザー数がPCや電話、タブレット、テレビなどを合わせて月間3億ユーザーに達したと発表したのにあわせ、今後リリースする製品で順次ブラウザーエンジンを変更していくことを明らかにした。

 Operaのブラウザーエンジンはこれまで独自開発の「Presto」だったが、今後はレンダリングエンジンに「WebKit」、JavaScriptエンジンに「V8」を使用する。Operaも今後は、Google Chromeのベースともなっているオープンソースブラウザー「Chromium」をベースに開発していくことになる。

 Operaの開発者向けブログによると、同社がスタートした1995年当時は、NetscapeやInternet Explorerに対抗してウェブ標準を推進するために独自エンジンが必要だったという。しかし現在では、Operaが目指していたような標準のサポートはWebKitプロジェクトが担っており、WebKitがすでに実装しているのと同様の機能を開発するためにOperaのリソースを割くのではなく、WebKitにおける新たな標準のサポートや機能強化のためにWebKitおよびChromiumプロジェクトに貢献することを選んだかたちだ。これにより、Opera製品だけにとどまらず、広くブラウザー全体における標準準拠を強化していく考えだ。

 ブラウザーエンジンを移行する最初のOperaブラウザーはスマートフォン版で、今月末にバルセロナで開催される「Mobile World Congres」において、Android向け次期ブラウザーをお披露目する予定。その後、デスクトップ版など他のブラウザー製品でもエンジンを移行していく。なお、現行のOperaブラウザー用の機能拡張を新しいChromiumベースのOperaブラウザーでも使えるようにするためのコンバージョンツールも用意するとしている。

(永沢 茂)