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「電子国土Web.NEXT」改良、異なる時代の航空写真を透過表示して変化追跡

 国土地理院は14日、試験公開中の「電子国土Web.NEXT」の機能を改良したと発表した。地図の共有機能を強化するとともに、同じ場所の地図や航空写真を重ね合わせて表示できる機能の追加などを行った。

地図と航空写真の重ね合わせ表示の例

 共有機能としては、電子国土Web.NEXTで表示した地図上にユーザーが書き込んだ図や文字など情報を含む地図表示を、HTMLファイルやURLで書き出せるようにする。別のユーザーがこれを開くことで簡単に共有でき、地図のスクロールや拡大・縮小といった操作も可能だ。KMLファイルとしても保存できるため、他のGISソフトでも活用できる。

 なお、電子国土Web.NEXTでは、KMLファイルを読み込んで各種情報を地図上に追加表示できるが、今回、他のGISソフトなどで作成したKMLファイルも読み込めるようにしたという。これまでは電子国土Web.NEXTで作成したKMLファイルにしか対応していなかったため、ユーザーが保有するKMLファイルの各種情報も活用できるようになったかたちだ。

 地図と航空写真といった異なる地図を重ね合わせて表示し、スライドバーで透過率を自由に変えられる機能も追加した。これにより、航空写真に写っているものの位置を容易に特定できるほか、異なる時期に撮影された2つの航空写真を重ね合わせればその土地の変化も追えるとしている。電子国土Web.NEXTでは現在、「1974~78年」「1979~83年」「1984~87年」「1988~90年」「2007年~(最新)」という5種類の航空写真が選択できる。

 有料道路の色別表示、等高線表示の有無の見直し、陰影の色(4色)を選択できる機能の追加など、地図表現の改良も行っている。また、地図上を右クリックして経緯度グリッド(1分・30秒・15秒から選択可能)などを表示できる機能も追加しており、災害時などに場所を迅速に特定できるようになるとしている。

(永沢 茂)