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NEC、最新技術「μEBG」を採用した11ac対応の「Aterm」無線LANルーター
(2013/3/27 16:45)
日本電気株式会社(NEC)とNECアクセステクニカ株式会社は27日、無線LANルーター「Aterm」シリーズの新製品として、無線LANの新規格「IEEE 802.11ac(Draft)」(以下11ac)に対応した「AtermWG1800HP」および「AtermWG1400HP」を4月初旬に発売すると発表した。
価格はいずれもオープンプライスだが、想定実売価格はAtermWG1800HPが1万9000円前後、AtermWG1400HPが1万6000円前後。
IEEE 802.11acは、周波数帯域幅を従来の20/40MHz幅から80/160MHz幅に拡大するとともに、変調方式も64QAMから256QAMと多値化することで、通信速度の高速化を実現する無線LAN規格。近く国内で正式認可となる見通しだ。
11acに対応したAtermWG1800HPは、送信3×受信3のアンテナ構成となっており、5GHz帯で最大1300Mbpsの無線通信が可能。一方、AtermWG1400HPは送信2×受信2で、同じく最大867Mbpsの無線通信が可能だ。なお、これらの通信速度は子機側もそれぞれDraft 11acに対応した製品を使った場合の理論値となる。NECが計測値として示している実効スループットは、AtermWG1800HPが約751Mbps、AtermWG1400HPが約597Mbps。
両機種とも、Draft 11acのほか、従来の規格であるIEEE 802.11a/n(5GHz帯)とIEEE 802.11b/g/n(2.4GHz帯)にも対応しており、2.4GHz帯の通信速度は最大450Mbps(理論値)。5GHz帯と2.4GHz帯の同時利用も可能だ。また、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Te対応の有線ポートを、WAN側×1ポート、LAN側×1ポート備えている。
NECは今回、独自の電磁ノイズを抑制する最新技術「μEBG構造」を初めて商品に採用。従来、不要ノイズを出していたプリント基板にEGB構造を搭載することで、内部を伝搬する不要ノイズを遮断することができる。NECによれば、μEBG構造を採用することで、アンテナの受信感度が最大で約10倍向上。高速なスループットが得られるという。
また、メタマテリアルを応用した世界最小クラスの「μSRアンテナ」も業界で初めて商品に適用したことで、アンテナの占有面積を従来機種比で約88%削減。これにより、11ac対応でありながら、IEEEE 802.11n対応の既存機種「AtermWR9500N(HPモデル)」と同等のコンパクトな本体サイズを実現した。
AtermWG1800HP、AtermWG1400HPともに、本体サイズは約33×111×170mm(幅×奥行き×高さ)、重さが約0.4kgとコンパクトで、縦置き・横置き・壁掛けでスタイリッシュに設置できる新デザインとなっている。
このほか、USB 2.0×1ポートを装備。USB接続したハードディスクやUSBメモリなどをファイルサーバーやメディアサーバーとして使用できる機能、USBウェブカメラ機能などを搭載している。また、国内で市販されている無線LANルーターで初めて、IPv6ルーター機能に対応したのも特徴という。NTT東日本・NTT西日本が提供する「フレッツ 光ネクスト」で提供しているIPv6 PPPoE方式に、IPv6トンネル対応アダプター不要で対応する。
それぞれ親機単体モデルのほか、セットモデルもラインナップする。AtermWG1800HPを2台セットにしたイーサネットコンバータセットが想定実売価格3万5000円前後、同じくAtermWG1400HPのイーサネットコンバータセットが想定実売価格2万9000円前後。両機種ともスイッチ切り替えで無線LAN子機として利用できるため、これらのセットを購入すればDraft 11acの高速無線通信をすぐに利用できるとしている。
追って5月中旬、Draft 11acに対応し、送信2×受信2で最大867MbpsのUSBスティックタイプ無線LAN子機「AtermWL900U」(想定実売価格9000円前後)と、AtermWG1400HPとAtermWL900UのUSBスティックセット(想定実売価格2万3000円前後)を発売する。