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仮想通貨「Bitcoin」流通総価値が10億ドル超え〜キプロス金融危機が影響?

 市場に流通している仮想通貨Bitcoinの総額が10億ドルを超えた。Bitcoinの流通開始以来初めての出来事だ。

 Bitcoinは先週末91ドルの最高値をつけ、4月1日現在には最高値を更新して92.7ドルとなった。Bitcoinの総流通数は現時点で約1100万Bitcoinであることから、総価値が10億ドルを超過したことになる。

 国家が発行する通貨の総価値と比較してみると、為替レートの変動による誤差はあるとはいえ、CIA Fact Bookのデータによれば、リベリア、ドミニカ、トンガなど20カ国以上の通貨を上回っていることになる。

 国家による裏付けもなく、中央銀行も持たない、単なる数学的アルゴリズムによって生成された仮想通貨にこれだけの価値がつくのは注目すべき事態といってよいだろう。

 Bitcoinの通貨との交換レートは市場によって異なっているが、価格が上がり始めた時期がキプロス金融危機の時期と符合していることから、その関連性が指摘されている。

 キプロスの金融危機は、3月15日にキプロスの銀行預金への課税とEU支援策がニュースとなり、その後3月19日にはキプロス議会が銀行課税を否決。銀行窓口を閉め、ATMの利用上限を設定するなど、大きな影響が出始めた。

 大まかに言ってこの時期から現在まで、Bitcoinの価格は上がり続けている。またBitcoinを取引するためのクライアントソフトのダウンロードもキプロスだけでなく、銀行危機を懸念する人々が多く住むギリシャやスペインなどで急増している。

 しかしながら、現時点でBitcoinを利用できる場所は少ない。投機的対象と見る方がより正確と言えるかもしれない。Bitcoinは市場で通常の通貨によって購入でき、その後購入者が見つかれば、市場で売却できるからだ。規制も緩く、金額によってはかなりリスクの高い取引といえる。

 それでも、通貨を発行している国家の財政破綻が懸念される国々では、その国家による裏付けがないことがむしろアドバンテージとみなされて仮想通貨に注目する人が、市場全体からすれば一部とはいえ、増加しているという現象は興味深い。

(青木 大我 taiga@scientist.com)