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今年の「東京国際ブックフェア」、1360社が出展、過去最大規模に

 7月上旬に東京ビッグサイトで開催される「第20回東京国際ブックフェア(TIBF2013)」「第17回国際電子出版EXPO(eBooks2013)」では、併催する4つのイベントも合わせ、1360社が出展。また、来場者は7万5000人を見込んでおり、いずれも昨年を大きく上回り過去最大規模になるという。

東京国際ブックフェア実行委員長を務める小学館の相賀昌宏代表取締役社長
東京国際ブックフェア実行委員を務める平凡社の下中直人代表取締役社長
リードエグジビジョンジャパン株式会社の石積忠夫代表取締役社長

 TIBFは、出版社や新聞社、印刷会社、出版流通会社などが出展する商談イベントで、国内書店だけでなく海外からも出版物のバイヤーが来場する。eBooksは、書籍・雑誌・コミック・新聞などのデジタル化技術・サービス・コンテンツを扱う企業が出展する商談イベントだ。主催するのは、出版社・書店などの業界団体で構成する「東京国際ブックフェア実行委員会」と、展示会運営を手がけるリードエグジビジョンジャパン株式会社。

 会期中には併せて、リードエグジビジョンジャパンが主催する「第2回クリエイターEXPO東京」「第1回プロダクションEXPO東京」「第1回コンテンツ制作・配信ソリューション展」「第3回ライセンシングジャパン」も同時開催。会期は、TIBF2013が7月3日から6日までの4日間、そのほかは7月3日から5日までの3日間。会場は東京ビッグサイト西ホールで、1階がTIBF2013、クリエイターEXPO東京、プロダクションEXPO東京、2階がeBooks2013、コンテンツ制作・配信ソリューション展、ライセンシングジャパンとなる。

6つのイベントのエリア割り

 4月5日に都内のホテルで開催された出展社向けの説明会で、リードエグジビジョンジャパン代表取締役社長の石積忠夫氏らから、同イベントの出展社数や来場者数の推移などが説明された。今年で20回目を迎えるTIBFの出展社は、2007年の第14回で705社になって以降ほぼ横ばいだったが、2012年の第19回で966社に急増。さらに今年の第20回では1360社へ大幅に増加する。

東京国際ブックフェアの出展社数の推移

 増加の要因としては、まず、出版社の考え方の変化があるという。従来の「いいものを作れば売れる」というスタンスを改め、売り上げを増やすためにTIBFをもっと活用しようという傾向から、出展する出版社が増加しているとした。特に児童書の分野で昨年の28社から今年は45社、人文書では92社から125社へと増加が目立つ。

 また、計180社が出展するプロダクションEXPO東京とコンテンツ制作・配信ソリューション展が初開催されることも出展社増加の要因となっている。

 プロダクションEXPO東京は、映像・アニメ・ゲーム・音楽・本・雑誌・ウェブ・アプリなどのコンテンツ制作会社(プロダクション)が参加するもので、よしもとクリエイティブ・エージェンシー、円谷プロダクション、バンダイナムコゲームスなどの大手も出展を決めている。

 一方、コンテンツ制作・配信ソリューション展は、映像・アニメ・ゲーム・音楽・ウェブ・アプリなどのデジタルコンテンツの制作・配信技術・サービスを扱う企業が出展。会場は、管理・配信ゾーン、端末・表示機器ゾーン、制作・編集技術ゾーンの3つに大きく分かれている。

 そして昨年初開催され、今年で2回目となるクリエイターEXPO東京の出展者が、昨年の363人から今年は600人に増加することも大きいという。

 クリエイターEXPO東京は、作家・ライター、漫画家、イラストレーター、グラフィックデザイナー、映像クリエイター、写真家、書道家、ウェブデザイナー、ゲームクリエイター、音楽クリエイターらが出展する商談イベント。自身および自身の作品を編集者や出版・メディア企業関係者などに売り込む場を提供する。昨年出展したクリエイターで実際に成果があったことから評判となり、早い時期から出展希望が寄せられていたという。

 東京ビッグサイト西ホール1階の半分はTIBF2013のエリアが占めるが、クリエイターEXPO東京は、その残りをプロダクションEXPO東京と二分するほどの規模だ。そこに漫画家やイラストレータ―、書道家、絵本などのゾーンに分かれ、600人のクリエイターらの小さなブースが並ぶ。

昨年初開催された「クリエイターEXPO東京」の様子

 石積氏はTIBFの来場者登録数の推移も紹介。1994年の第1回は2万3798人だったのが、2010年以降は6万人台後半を動員するまでに成長した。さらに今年は7万5000人を動員するのが目標だ。

東京国際ブックフェアの来場者登録数の推移

(永沢 茂)