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中国における日本コンテンツの著作権侵害、有償ダウンロード換算で3.8兆円に

 文化庁は24日、中国における著作権侵害の実態調査の結果を公表した。調査は文化庁が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託し、3月19日から25日までインターネット経由で実施したもの。北京・上海・広州・重慶の各都市で1000人、合計4000人から回答を集めた。

 それによれば、中国人が1年間に入手・視聴している日本のオンラインコンテンツの数は平均828件。著作権侵害の規模は4都市合計で年間約76億件、金額ベースではネット広告費換算で約19億円、有償ダウンロード換算で約5600億円に上ると推定している。

 仮に中国全土のネットユーザーで著作権侵害の規模を推計した場合、年間で約530億件、金額ベースではネット広告費換算で約135億円、有償ダウンロード換算で約3兆8000億円となる。

 金額ベースのネット広告費換算は、中国大手ポータルサイトの広告料金のクリック単価とクリック率を件数に乗じて推計した。有償ダウンロード換算は、中国における有償配信料金単価の事例を参考にした。

 調査結果について三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、インターネット上で正規にコンテンツを入手・視聴できない中で、海賊版が容易に利用できる環境にあることが問題だと指摘。不正流通対策と正規版展開を車輪の両輪として実施していくことが必要としている。

 「中国で正規展開をするに際して、独自でサイト開設したりする方法もあるが、ユーザーが日常的に活用しているポータルサイトや動画投稿サイト、コンテンツ配信サイト、通販サイトに委託して、供給・販売する方法が有用。無償の広告モデル、有償の会員制やコンテンツごとに課金するモデル、関連グッズの販売で利益を得るモデルなど、コンテンツに適した方法を検討していくことが考えられる。」

(増田 覚)