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「いつ来ても低価格」をネットでも、「SEIYUドットコム」正式開始〜DeNA連携も

 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)と合同会社西友は27日、ネットスーパーとEコマースを融合したショッピングサイト「SEIYUドットコム」を正式オープンした。「いつ来ても低価格」「豊富な品揃え」という西友の実店舗の特徴を生かすことで、食料品や日用品を扱う競合サイトと差別化を図る。

左から西友の久野克宜氏、佐々木健介氏、北斗晶氏、DeNAの林光洋氏

5000円以上で送料無料、午後3時までに注文すれば当日配送も

 西友は2000年5月以降、ネット上で注文を受けた商品を西友の実店舗から近隣エリアへ配達する「西友ネットスーパー」を提供している。SEIYUドットコムでは、17都道府県、109店舗で展開している従来の「ネットスーパー便」に、配送センターから商品を配送する「配送センター便」を加え、全国配送をスタートした。親会社の米ウォルマートからの直輸入商品を集めた「アメリカンコーナー」も設け、3年間で10万品目まで商品を増やす。

SEIYUドットコムのイメージ

 現時点での取り扱い商品は加工食品や冷凍食品、生鮮食品、惣菜、日用消耗品など2万4000点。配送センター便のみの地域は1万4000点。送料はネットスーパー便と配送センター便の注文合計金額が5000円以上であれば無料。5000円未満は315円の送料がかかるが、10月31日までは210円に値下げする。入会費・年会費は無料。

 ネットスーパー便は注文から最短5時間で届き、午後3時までに注文すれば当日配達が可能。注文日から3日後までの6つの時間帯で指定配達もできる。配送センター便は注文後1〜3日以内で届く。当初は配送日を指定できないが、7月下旬をめどに配送日の指定に対応する予定。

SEIYUドットコムの特徴

 DeNAと西友は2012年7月、オンラインショッピング事業に関する提携を締結した。同年11月には、DeNAのサイト開発・運営のノウハウをもとに、SEIYUドットコムのユーザーインターフェイスを刷新。「買い物かご」に入れた商品の写真と個数を常時表示したり、ネットスーパー便と配送センター便を一度に検索できるようにした。

 また、DeNAが運営するショッピングサイト「DeNAショッピング」とSEIYUドットコムの会員IDおよびポイントを共通化し、サービス間での買い周りを促進する。SEIYUドットコムで買い物をした際にはDeNA IDのポイントが付与され、次回以降にSEIYUドットコムやDeNAショッピングで利用できる。

Amazonや楽天を「EDLP」で差別化、西友がショッピングサイトに注力するわけ

 ウォルマート傘下の西友は、親会社が掲げるスローガン「Everyday Low Price(EDLP)」を実店舗で進めた結果、既存店の売上が4年連続で増加。2012年には2300品目を値下げするなど、「いつ来ても低価格」に取り組んでいる。そんな西友がなぜネットショッピングに注力するのか。執行役員シニア・バイス・プレジデントの久野克宜氏はこう語る。

 「ECは成長著しい分野だが、書籍や家電と比べると、食料品や日用品はまだまだ。ネット化が進めば大きなビジネスチャンスがある。現在はタイムセールやポイントキャンペーンをするECサイトはあるが、顧客が求めているのは、毎日の買い物をいつでも時間にとらわれずに安くしたいということ。まさにEDLPはベストマッチしている。」

競合の「ネットスーパー」との価格比較。SEIYUドットコムで頻繁に購入される商品の価格を比較したもの

 Amazon.co.jpや楽天といった競合となるネット企業の存在については、「特定の企業はターゲットにしていない」と前置きした上で、「SEIYUドットコムは、『いつ来ても低価格』と思ってもらうことで差別化を図っていける」と自信を示した。売上目標は非公表としたが、食料品・日用品を扱うECサイトで国内トップを目指すという。

Amazonと楽天との価格比較。SEIYUドットコムで頻繁に購入される商品の価格を比較したもの

 DeNAのEC事業としては、SEIYUドットコムに加えて、DeNAショッピングや旅行サイト「スカイゲート」(今秋に「DeNAトラベル」に名称変更)を手がけている。今後の展開については明らかにされなかったが、「特化型ECサービス」(DeNA執行役員EC事業本部本部長の林光洋氏)を展開し、各サービスのIDとポイントを共通化して消費を促進したいと話した。

 27日に行われた記者会見には、プロレスラーの佐々木健介さんと北斗晶さんも応援に駆けつけた。

DeNAのEC事業展開について

(増田 覚)