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米Google、新「Zagat」アプリを公開

~「正確で信頼できる意見」によるレストランガイドを素早く検索

 米Googleは29日、子会社Zagatの新iOS/Androidアプリ、Zagatの新ウェブサイトを公開した。

 iOS、Androidアプリ双方とも英語版のみで、iOS版はiPhone 5にも最適化されている。いずれもApp StoreまたはGoogle Playから無料ダウンロードできる。ここからZagatのコンテンツを無登録、無料で利用できるようになった。

 Googleは「Google+ Local」アプリを8月7日に停止すると発表したばかりだが、Zagatアプリはその代替機能を提供する。

 Zagatは1979年設立のユーザー参加型レストラン評価ガイドで、Googleが2011年9月に買収した。料理評論家による100年の歴史を持つ仏ミシュランと、ユーザー参加型レビューを特徴とする34年の歴史を持つニューヨーク発のZagatとはしばしば比較される。日本国内でも東京や京阪神エリアをカバーしており、これまでは主に印刷された書籍で知られてきた。

 今日公開された新iOS/Android版は9都市(米国の8都市オースティン、ボストン、シカゴ、ロサンゼルス、ニューヨーク、フィラデルフィア、サンフランシスコ、ワシントンDCと英国のロンドン)のみをサポートする。Googleでは今後数カ月以内に対象都市を50ヶ所以上に拡大し、レストラン以外にもショッピングやホテルもカバーする意向を明らかにした。

 アプリのホーム画面には、カバーしている都市の大きなカードが表示される。このカードをタップすると、Zagatによる動画や、編集者による記事など、Zagatならではの独自コンテンツが表示される。そこから近隣レストランを地図上に表示、検索して、レビューを見ていくことができる。アプリからはソーシャルネットワークへの共有、カレンダーとの連携、レストラン予約サイトOpenTableを通してその場でレストランの予約も可能だ。

 Zagatのレビュー自体は、既にGoogleマップなどとの統合が進められている。しかしアプリでは、プロの編集者によりキュレーションされたコンテンツが前面に押し出されていることが特徴だ。

 Zagatは格式あるレストランガイドであり、Googleが今後どのようにブランドを維持していくか、また印刷されたZagatの書籍を存続させるかどうかにも注目が集まっている。

 アプリ公開に際して、Zagat代表でグループプログラムマネジャーであるGannon Hall氏はZagatの意義について「最近では、どこへ行くかを決める際に問題となるのは、情報やユーザーレビューの不足ではなく、素早くかつ情報に基づいた意思決定ができるようにするための、正確な情報と信頼できる意見を見つけることだ」とコメントしている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)