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KDDI子会社のmedibaがスケールアウトを買収、広告事業拡大

 「auスマートパス」を中心に広告事業やメディアプロデュース事業を展開するKDDI子会社の株式会社medibaは5日、広告配信システムを提供する株式会社スケールアウトの普通株式を取得し、子会社化したことを明らかにした。

 medibaは、スケールアウトの強みである広告主向けの広告配信プラットフォーム(DSP:DemandSidePlatform)事業を取り込むことで、DSPから媒体社向け広告配信プラットフォーム(SSP:SupplySidePlatform)事業まで一貫した広告配信プラットフォームを構築する。

 DSPは広告主のディスプレイ広告での広告在庫の買い付け、広告配信掲載面・オーディエンスのターゲティングなど一連の作業を統合的に管理できる。一方、SSPはサイトやオーディエンスごとに最も収益性の高い広告を選定し、広告を配信する仕組み。

 medibaではさらに、属性データや広告配信データを一元管理し、マーケティング活動を最適化するDMP(Datamanagement Platform)にも参入する。具体的には、KDDIが保有するユーザーの属性データなどをDMPに蓄積・分析し、最適かつ効率的な広告配信を行う。

 medibaは2011年8月、スマートフォン向けアドネットワーク事業を手がける株式会社ノボットを子会社化。2012年12月には、年齢や性別などのKDDIが保有するデータを活用した広告配信を開始していた。今後はスマートフォン分野に加えて、PCやタブレット、スマートテレビにも広告事業を拡大する。

 スケールアウトは引き続き、現在の代表である山崎大輔氏が代表取締役社長として事業運営にあたる。

(増田 覚)