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米Microsoft、Android版Outlookアプリで重要アップデート

サーバー側検索、全メールの無制限同期、複数エイリアス対応など大幅な機能強化

 米Microsoftは10日、Android版「Outlook.com」アプリの「重要な」アップデートを公開した。Google Playから無料でダウンロードできる。Android OS2.2以降に対応する。

 新機能として、サーバー側メール検索、全メールの無制限同期、複数のエイリアスからのメール送信、アプリのテーマカラーを11色から選択できる機能、休暇中返信設定などが追加された。

 今回のアップデートについて、米Microsoft Outlook.comプロトコル担当プリンシパルプログラムマネージャーリードであるSteve Kafka氏は「我々は顧客のフィードバックに一生懸命耳を傾け、みなさんが望んだいくつかの改良を加えた」と今回のアップデートについて説明している。

サーバー側メール検索
全メールのダウンロードが可能に
テーマカラーを11色から選択可能に

 目玉機能となったサーバーサイドメール検索機能は、端末にダウンロードしていないサーバー側にある全メールを、アプリから検索可能になった。これまではダウンロードしてある最新メールしか検索できず、不満の声が上がっていた。

 これと関連して、全メールを端末にダウンロードできるオプションが追加された。前バージョンでは、ダウンロードしたいメールを複数選択する必要があった。ダウンロードする期間は設定でき、1日前、3日前、1週間前、2週間前、1か月前、無制限、の6種類が可能だ。ただし、メール検索を考えるなら、サーバーサイドで行った方が高速だとしている。

 更にWeb版Outlook.comで導入された複数エイリアスからのメール送信機能がアプリでもサポートされた。複数のメールアドレスをアプリから選択できるようになっている。特にモバイル利用には重要な機能かもしれない。

 アプリのユーザーインターフェイスはWindows Phoneのフラットユーザーインターフェイスに似ており、Outlook.comの青色が基調となる色が採用されてきた。しかし今回、ユーザーの要望に応えて11色のテーマカラーから選択可能になった。いつも使用するアプリを自分好みにカスタマイズできるのは、些細に見えるがユーザーにとっては重要な機能だ。

 また、休暇中の自動返信機能を、アプリから設定できるようになった。

 発表文では「このアップデートには150を超える改良が含まれている」と説明されているが、新機能以外にどのような改良が含まれているのか逐一明示はされていないが、AndroidアプリについてはGoogle Playでかなり酷評されてきた経緯があり、現時点でユーザー評価は5満点中2.7という少し不名誉な評価となっている。

 今回発表された新たな統計によると、Outlook.comのモバイル端末からの利用率は68%と1年前から3倍にまで伸びているのだという。それだけに、MicrosoftにとってOutlook.comアプリの重要性は非常に大きくなっていると考えられ、今回の「150の改良」がユーザー評価にどう影響するかが注目される。

 Kafka氏は発表にあたり、「我々の目標は、求められていた機能を提供し、可能な限り最良のメール体験を顧客に提供することだ」との決意を述べている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)