テレワーク、空いた時間でなにしてる?
自転車のチェーンってこんなに汚れてたの!? 超音波洗浄機とチェーンディグリーザーの素でメチャきれいに【ぼっち・ざ・ろーど!その10】
悩みのタネだったブレーキパッドの鳴きも解消
2026年5月29日 12:12
いよいよ富士ヒル本番が来週末に迫った。前回の記事ではタイヤをミシュランの軽量&低転がり抵抗のヒルクライムレース向けタイヤ「POWER TIME TRIAL」に交換したことをお伝えしたが、先週末に練習に行ったところ、昨年のレースに次ぐタイムを記録できた。
やはり転がり抵抗の低さはなかなかのもので、特に序盤でその軽さを実感。ただし、24kmの坂道を2時間も走り続けるには、やっぱり体力とか、気温、風といった天候の影響も大きくて、タイヤが軽いぜ! なんて思っていられるのは最初だけ。登っていればやっぱり疲れてくるしやっぱりつらい。タイヤが軽くなったからといって、富士ヒルが楽勝になるなんてことはなかった。とはいえ、そうした改善の積み重なねが、タイムにもつながっていくのだろう。
というわけで今回はカスタマイズ第2弾として、チェーンを掃除してみた。普段は面倒くさくて、チェーンの掃除はあまりやらないほうなのだが、たまにチェーンを掃除すると、やっぱりやったほうがいいと思えるほど走りが軽く感じられる。だから富士ヒル前にもチェーンやギヤなどのドライブトレインはきれいにしておきたい。
チェーンオイルではなく、チェーンワックスを使ってみた
今回は、普通のチェーンオイルではなく、数年前から流行っているチェーンワックスというのを使ってみることにした。
その名前のとおり、オイルではなくワックス、つまり蝋(ろう)のようなもの。
中には、固体のワックスを熱で溶かして、そこにチェーンをドボンと浸けて施工するようなものもあるのだが、最近だと普通のチェーンオイルのように、常温で液状になっていて、それをチェーンに垂らして使うタイプもある。こちらであれば、ワックスを溶かす必要もなくて、施工のハードルは低い。
YouTubeなどで検索すればいろいろなレビューが出てくるが、筆者の思う一番のメリットとしては、汚れが付きにくいことだ。
普通のチェーンオイルの場合、使っていれば真っ黒になる。これは液状のオイルがいろいろな汚れを吸着、取り込んでしまうのが原因だ。しかも単にオイルの色が黒ずむだけでなくて、中に細かい金属粉なども取り込まれているので、服などに付くと洗い落とすのが大変。普通に洗濯しただけではまったくと言っていいほど汚れが落ちない。
その点、ワックスの場合、最初は液体でも乾くと固体のようになるので、汚れを取り込みにくく、手で触っても汚れにくい、らしい。チェーンワックスとチェーンオイルでどれだけ摩擦抵抗が減るかといえば、おそらく筆者のセンサーでは分からないレベルな気がするが、汚れが付きにくいというだけでも試す価値はある。
ただし、ちょっとややこしい部分もあって、いままでチェーンオイルを使っていたチェーンにチェーンワックスを使う場合、事前に古いチェーンオイルを徹底的に掃除する必要があるとのこと。
ただ、この点もすでに先人の自転車系YouTuberさんなどが方法を解説してくれていて、メガネの掃除などで使う超音波洗浄機を使うと、チェーンのすき間に入り込んだ古いオイルを除去することができるらしい。しかも超音波洗浄機にも種類があって、一般的な40kHzに加えて28kHzの振動を出せるタイプだと、より強力に汚れを落とせるそうだ(ただしメガネなどの樹脂製品には強力すぎるらしいので、あくまで金属チェーンに限る)。
それと、ただの水やお湯ではいくら超音波洗浄機でもチェーン油は落とせないので、洗浄液が重要になる。調べると、フィルタークリーナーと呼ばれる、本来はバイクの湿式エアフィルターを掃除するためのものを使っているという声が見つかった。
筆者も以前からエーゼットの「フィルタークリーナー」をチェーンの掃除に使っていて、確かにこれはよく落ちる。ガソリンとか灯油のようなニオイがするいわゆる石油系の溶剤で、水で乳化するので最後は水で洗い流すことができるというもの。ただ、筆者の手持ちは残りが少ない。買い足してもいいが、他によいものがないかと探したところGOTALというブランドの「チェーンディグリーザーの素」という製品を発見した。
これはお湯に溶かすことでチェーン掃除に使えるチェーンディグリーザーになるらしく、口コミによると、フィルタークリーナーと同じぐらい落ちるし、しかもニオイがほとんどなくて室内でも使えるという。
フィルタークリーナーは臭くてとても室内で使えるようなものではないので、それは気になる。口コミではとにかく汚れが落ちるし、超音波洗浄機と組み合わせて使っているという声も多かったので、試してみることにした。
一度洗ったチェーン、超音波洗浄機でどれだけ汚れが出てくる?
ということで、まず超音波洗浄機で選んだのが、28kHzと40kHzに対応し、容量は2Lでかつ1万円程度で買えたEIWEIのCD-E2デュアル周波数超音波洗浄機(記事執筆時点で在庫切れになっている模様。ほかにWWELLというブランドの超音波洗浄機も、同程度の価格で28kHzと40kHzに対応している)。
それと、HARIO(ハリオ)のビーカー(500ml)もあわせて購入した。これはなくてもいいが、洗浄液を直接超音波洗浄機に入れるのではなく、このビーカーの中に入れて洗浄すれば、洗浄液の使用量を抑えられるし、超音波洗浄機本体を汚さないでも済む。具体的にはチェーンと洗浄液をビーカーに入れ、超音波洗浄機には半分ぐらい水(お湯)を入れてそこにビーカーごと沈めて洗浄をする。超音波は水を通じてビーカーの中にも届くので、これでも問題なく洗浄することができるというわけ。
そしてチェーンディグリーザーの素。これは白い粉で、付属のスプーン1杯を250mlのお湯に溶かして使う。ビーカーだと250mlを量るのも容易だ。
そこに外したチェーンを入れる。ただ、どれぐらいよく落ちるのかを見たかったので、事前にスプレータイプのチェーンクリーナーと歯ブラシを使ってある程度きれいにしておいた。なので見た目的にはそこそこきれいに見える。ただし中のほうはブラシも届かないので、そういったところの汚れがどれだけ超音波洗浄機で落ちるのかが見どころだ。
使い方としては、まずは数分つけ置き。ただ、この時点でチェーンの周りにはもやもやと黒っぽいものが出てきている。
そして超音波洗浄機を10分間稼働! ちなみにビーカーは直接底に置くのではなく、付属の網の上に置くようにする。
これが28kHzだと結構うるさい。室内でやっていると隣の部屋でも結構聞こえるぐらいの音量で、しかも高周波の不快な音。実は最初は室内でやってみたのだが、愛犬がめちゃくちゃ嫌そうな顔をするので、屋外でやることにした。
スイッチを入れるとみるみる間に洗浄液が黒くなっていく。まるで雲が発生するように、チェーンの周りからもわもわと黒いものが出てきて数分でチェーンが見えなくなってしまった。チェーンクリーナーで手で持っても汚れないぐらいまでにはきれいにしておいたのだが、チェーンの内側にはまだまだ汚れがたまっていたということだ。
そのまま10分間洗浄。そして終わったらすすぎとしてビーカーにお湯を入れて再びオン。だがすすぎでもどんどんお湯が黒くなっていくので、10分やったところでお湯を入れ替えてもう一度すすぎ。2回目のすすぎでもお湯がほのかに黒っぽくはなったので5分したところでお湯を入れ替えてもう5分、やっと濁らなくなったのでチェーンを出してチェックする。
すると、表面的にはとてもきれいになっているのだが、チェーンの内側をよく見ると、まだ落ちていない汚れもある。試しに洗浄液をつけたブラシでこすってみると落ちる。
そこで、再度洗浄液を作って2度目の洗浄。
するとやっぱり洗浄液はどんどん黒くなっていく。最初のようにまったくチェーンが見えなくなるほどではなかったものの、まだまだ汚れは残っていたようだ。
10分洗浄ののち、チェーンを出してみるが、まだ汚れがある。そこでブラシを使ってこするとすぐに落ちた。
超音波洗浄機はブラシが届かないような奥まったところの汚れを落とすのにはとても有効だが、ブラシが届くようなところはブラシでこすったほうが簡単に落とせるようだ。普段からチェーンをきれいにしている人なら大丈夫かもしれないが、汚れがたまっている人は、横着せずにブラシで磨いた後に超音波洗浄するという流れがおすすめだろう。
再びお湯を入れて、今度は10分間のすすぎ。これでほとんど汚れが出てこなくなった
すすぎが終わったらよく水気をふき取って、最後にドライヤーで徹底的に乾燥させる。現状チェーンは脱脂された状態なので、濡れたまま放置すると錆びてしまう。
それとチェーンを洗浄したあとの洗浄液を使ってギヤ(フロントチェーンリングやリアのスプロケ)もきれいにした。こちらは超音波洗浄機は使わず、洗浄液とブラシでこすっただけだが、こちらもめちゃくちゃよく落ちる。
フィルタークリーナーのようにガソリン臭くもないのに、どろどろの油汚れが簡単に落ちるのはスゴイ!! と思ったわけだが、ここでなにかデジャブのような感覚を覚えた。あれ? なんか前にも白い粉をお湯に溶かして「めっちゃ落ちる!!」と思ったことがある気が……。
で、やっと思い出した。ロードスターのエンジンヘッドカバーを洗浄するのに使った「新サンエスK1」だ。
新サンエスK1とは、エンジンオーバーホールなどでよく使われる定番の金属部品洗浄剤で、これもお湯で溶かして使い、つけ置きした後にブラシなどでこすると、こびりついたオイル汚れやカーボンがみるみるきれいになる。チェーンディグリーザーの素も、成分を見ると珪酸塩・炭酸塩、界面活性剤などとなっており、水酸化ナトリウム不使用とあるので、新サンエスK1と似たようなものなのだろう。どおりでチェーンオイルなどでも簡単に落ちるわけだ。
価格的には新サンエスK1のほうが安く入手できるが、少量で使うことを想定していないので、自転車で使うなら計量スプーンやジップ付きの袋に入ったチェーンディグリーザーの素のほうが使い勝手はいいと思う。
数あるチェーンワックスの中から一番手間がかからなそうなものを選ぶ
チェーンがきれいになったところで、チェーンワックスを塗布する。
チェーンワックスにはいろいろな種類があって、今現在も新製品がどんどん登場している状況だが、そんな中で筆者が選んだのは、エフェットマリポサのフラワーパワーワックス(Effetto Mariposa Flowerpower Wax)。
もっと新しい製品もあったが、横着な筆者としては、できるだけ施工が楽で、耐久性があるものを選びたかった。口コミを見ると、チェーンワックスのなかでは黒い汚れが出やすいものの、雨にも強く、耐久性もあって、追加の塗布も可能とのこと。
中には雨ですぐ流れてしまうものや、一度塗布したワックスの掃除が大変そうなものもあって、下手に新製品に手を出すより古くても評価のしっかりした製品を選ぶことにした(こちらもちょうどAmazonで在庫切れ。楽天市場では記事執筆時点では販売されていたので、そちらもチェックしてほしい)。
施工方法はチェーンオイルと変わりない。1コマに1滴ずつ塗布していく。ただ、オイルと比べると粘度が高くしみ込んでいかないので、指でこすってなじませるようにした。
塗布し終えたらクランクをぐるぐる回してなじませた後、2~3時間放置。脱脂洗浄した後の最初だけは2度施工するのがいいらしく、3時間経ったところで再度1コマ1滴ずつ塗布。これまたなじませて、2時間以上放置すれば完成。
施工した状況を見てみると、ちょっとたくさん塗りすぎたのか? という感じだ。
フラワーワックスは時間が経つと無色の半固体(ゲル状)になる。液体のオイルの場合は、表面張力によってチェーンの間のすき間に入り込むが、半固体のワックスの場合、余剰分は外側に追い出されるだけで戻っていかない。そのため、チェーンやギヤに追い出されたワックスのカスが付着した状態になる。しかもそれが少し黒っぽいので、手で触ると手は汚れる。オイルのようにしみ込む感じはないので、服についた場合もオイルよりは落としやすそうだが、全然汚れない、というほどではなさそうだ。
そして試走してみると、軽い、軽くはなっている。が、チェーンをきれいにしたときは軽くなったと感じるので、オイルと比べてどうかといわれると、筆者のセンサーのレベルだと、確信をもって「軽い」と言い切れるほどの差は実感できなかった。
先週末の練習では、下りで小雨に見舞われたのだが、見た感じワックスが流れてしまった様子はない。ただ、富士ヒル直前にはもう一度ウエスで拭ってから追いワックスをしてみようと思っている。
番外編:ブレーキパッドも洗浄してみた
ちなみにチェーン洗浄用に買ったチェーンディグリーザーの素と超音波洗浄機だが、これがブレーキパッドの洗浄にも使えると聞いて試してみた。
以前からフロントのディスクブレーキの音鳴りがひどくて、これまで何度もパッドを洗浄したりローター交換したり、パッドを火であぶったり、やすりで削ったり、いろいろ試してもダメ。制動力が落ちているわけではないので、これまではだましだましやってきたが、さすがに富士山から下っている最中がうるさくてたまらない。もうパッドとローターを新品に変えるしかないかと思っていたところだったので、ダメ元で洗浄をしてみたわけだ。
でもってこれが大正解!! パッドを超音波洗浄機とチェーンディグリーザーで洗浄し、ローターはディスクブレーキクリーナーで洗浄したところ、見事に音が鳴りやんだ。
もちろん音鳴りの原因もいろいろあると思うので、絶対に音が消えるとは言えないが、パッドやローターを買い替えるのも安くはないので、試してみる価値はあるだろう。
テレワークで余裕ができた時間を有効活用するため、または、変化がなくなりがちなテレワークの日々に新たな風を入れるため、INTERNET Watch編集部員やライター陣がやっていることをリレー形式で紹介していく「テレワーク、空いた時間でなにしてる?」。バックナンバーもぜひお楽しみください。













































