テレワーク、空いた時間でなにしてる?
今年も富士ヒルに向けて準備開始!! ホイールとタイヤを軽量化してみたけど本当に速くなるのか?【ぼっち・ざ・ろーど!その9】
2026年5月22日 12:12
気がつけば今年も「Mt.富士ヒルクライムレース(通称:富士ヒル)」の季節が近づいてきた(今年は6月7日が本番)。いつもぼっちで走っている筆者だが、、昨年50歳にして人生初の自転車レース 富士ヒルに参戦したところ、思っていた以上に良い結果が出たので、今年はさらにタイムアップを目指したいと思っている。そこで今回はレースに向けた軽量化の話をしていきたい。
富士ヒルは、その名のとおり富士山に登るレース。自転車で富士山に登るなんて、普通の読者ならとんでもないレースだと思われるだろうが、実はそうでもなくて、平均勾配は5%。つまり1mで5cm上る斜度なので、山まで行かなくても街中で普通にある程度の坂道だ。しかも制限時間も長いので、完走率は99%程度と初心者でも参加しやすいレースと言われている。
だからといって楽なレースかと言えばぜんぜんそんなことはない。なにしろ標高が高いので空気が薄いし、街中にもあるレベルの斜度と言っても、それが24kmも続いて、箱根越えをするより高い標高差を登るのだから、普段から練習をしていなければ、登り切るのはつらいだろう。
トップクラスの選手はこれを1時間を切るようなタイムで走るが、筆者が初めて練習で走ったときのタイムは2時間30分ほど。その時は、とにかく次から次へと他のサイクリストに抜かれまくって、自分の遅さに心が折れそうになった。だが、それでも富士山の五合目まで自分の脚で登り切ったというよろこびは格別で、遅いなりにも楽しもうと思えた。
そこから練習を重ねるごとにタイムアップできて、しかもレース本番では、それまでのベストタイムを大幅に更新して1時間55分でフィニッシュ!!(詳しくは昨年のレポートその1・その2を参照)。そんなわけで、レースを終えた直後から、もう来年の富士ヒルに出たいと心底思っていた。
そしてあれから1年、今年も大会スポンサーのピエクレックスさんの枠で富士ヒルに出場させてもらえることになった。ほかの参加者の皆さま、関係者の皆さま、今年もよろしくお願いいたします。
軽量ホイールをゲットで足まわり軽量化計画をスタート
今年もすでに富士ヒルに向けて練習を続けている。4月下旬に富士スバルラインが5合目まで開通してから、GWなども使って5回試走に行った。
今年の目標タイムは1時間45分。そのためにも練習の段階で昨年のレースでの記録、1時間55分を更新したいと思ってはいる。ただ、これがなかなか難しくて、今のところ、頑張ってもどうにか2時間ジャストというところ。去年の練習時のタイムは上回れているものの、ここからさらに5分削るとか、正直ちょっと自信がなくなってきている。今年は51歳、練習での成果より加齢による劣化のほうがペースが速いのかもしれない。
そんなわけで、今年は機材を少しアップグレードすることにした。と言ってもバイクは昨年と同じオルベア(ORBEA)のAVANT。結構古いモデルで、ディスクブレーキなのに車軸が太いスルーアクスルではなく細いクイックリリースという、今どきのロードバイクの規格には合わないフレームだが、長年一緒に走ってきたし、昨年の富士ヒルでもいい結果を残してくれたので、今年もこのバイクで参戦したいと思っている。
ただし、今年は少しアップグレードしたい。やるのは足まわりの軽量化だ。
というのも、実は数カ月前にネットオークションで軽量ホイールを入手できたのだ。ディスクブレーキでかつクイックリリース仕様という、今時の規格にはそぐわないホイールなので、他に欲しがる人もおらず、格安で入手することができた。
モノはジャイアントの「SLR0」というモデル。現行モデルだと前後で28万円以上する軽量ホイールだ。当時の資料が見つけられなかったので公称値は不明だが、実測でフロントが682.8g、リアが801.5g、前後で1484.3g。いつも使っているのはマヴィックのCOSMIC SL45でカタログスペックで前後1575gなので、90g以上軽い。ヒルクライムでは軽さが命、とくにホイールで90gの差は大きいはず。というわけで今年はこのホイールで富士ヒルに挑もうと考えていた。
あとはタイヤだ。中古で買ったので25Cのタイヤが付いていて、とりあえずはそれで走れたが、それなりに摩耗しているので、これでレース本番に挑むのはちょっと怖い。本番でパンクとか泣くに泣けないだろう。
しかしそんなところにいい話が転がってきた。ミシュランが新しく出したヒルクライム向けのレースタイヤを使わせてもらえることになったのだ。
実は筆者がCar Watchにいた頃にお付き合いがあったミシュランの方が、今はロードバイク用のタイヤを担当していて、富士ヒルにも来るとのこと。筆者も富士ヒルに参戦するのを伝えたところ、タイヤを使ってみないか、という話をいただけたのだ。筆者はチューブレスタイヤにする前は、いつもミシュランのタイヤを選んでいて、とても気に入っていたので、これはうれしい話だ。
しかも提供いただいたのはヒルクライムレース向けタイヤ「MICHELIN POWER TIME TRIAL」。軽量、かつ転がり抵抗も低く、まさに富士ヒル向けのタイヤと言える。
筆者のような素人にレース向けタイヤの良さが分かるのか不安ではあったのだが、使ってみたところ、これがめちゃくちゃ良かったので、急ぎ報告したい。
昨年のレースと比べタイヤだけで348gの軽量化!!
まずこの製品だが、サイズラインアップは23Cと25Cのみ。今時のロードバイクの主流は28C以上なので、細めのラインアップだが、グリップより軽さや転がり抵抗の低さが重要なヒルクライムレースだと、今でも25Cを使っている人は多いだろう。
筆者も25Cを使わせてもらったが、その重さは公称値で190g、実測でも191.8gだったので、おおむねスペック通りだろう。ちなみに最初にホイールに付いていたコンチネンタルのGRAND PRIX 5000S TRが同じ25Cで公称値250gだったので1本で60g、2本で120gも軽い計算だ。さらに去年の富士ヒルの時に履いていたシュワルベ ONEの28Cは実測で366gもあったので、2本で348g以上も軽くなる。
今年はホイールで90gも軽いぜ! とかよろこんでいたのに、タイヤだけでこんなに軽量化できるなんて!! しかも回転するホイールの一番外側が軽量化できるので、今、普通のタイヤを履いているなら、軽量ホイールに換えるよりずっとコスパもいいだろう。
そしてこのPOWER TIME TRIALは、チューブレスレディではなくクリンチャータイヤとなっている。つまりシーラントはいらない代わりにチューブが必要になるのだが、6月末までのキャンペーンで、POWER TIME TRIALの同サイズ2本を買うと、ミシュランの軽量チューブ「AIR COMP A1」を2本プレゼントする「MICHELIN ヒルクライムキャンペーン」も行われている。
ただ、今どきだともっと軽量なTPUチューブというものがある。一般的なブチルゴムのチューブと違って、TPUチューブならではの扱いにくさはあるが、レースに向けては少しでも軽くしたいので、今回は軽さ重視でTPUチューブを組み合わせることにした。
選んだTPUチューブは公称36g、実測で38gほどだった。
チューブレスレディの場合、チューブはいらないものの、空気漏れを防ぐためのシーラントが必要となる。25Cの場合シーラントの量が40~50ccなので、少なく見積もって40gほど重量が増える。さらにバルブも付ける必要があって、短いものでも4gほどで計44gなので、重量で見ればTPUチューブのほうが軽いという計算になる。
実際には、液体であるシーラントはタイヤの中で回るので、単に重量の差がそのまま回転の軽さとはならないが、シーラントは半年もすればタイヤの中で固まってしまって、さらに補充する必要が出てくる。つまり使おうが使わなかろうが時間が経てば少しずつ重くなるのがチューブレスレディの宿命。レース決戦用としてときどきしか使わないのであれば、チューブの方がメリットは多そうだ。
そんなわけでもともとチューブレスで運用していたタイヤを外し、ホイールをキレイに洗ってミシュランのPOWER TIME TRIALを装着する。TPUチューブだと、はめるときにタイヤレバーでチューブを傷つけてしまう可能性があるので、手だけではめる必要があるが、POWER TIME TRIALは手だけでも簡単に装着することができた。
ただ、装着のためにタイヤをさわっていると白いカスが出てくるから、作業は屋外でやったほうがいいだろう。この白いカスは新品のタイヤ特有のもので、出るのは最初だけ。装着作業中にトレッド面のものはだいたい落ちると思うが、本番前にしばらく走ってタイヤをひと皮むいておくことは重要だ。
そんなわけで組み付けが終わったら残った白いカスをウエスでキレイに拭って完成。
愛車に装着すると思わず「カッコいい~」と声が出てしまった。青地にミシュランのロゴと黄色地のPOWER TIME TRIALの文字がかなり存在感があって、見た目からして速そうだ。
これぞミシュラン! レース向けタイヤなのに乗り心地がいい!!
いても経ってもいられずサイクルジャージに着替えて試走に行ってみたのだが、走り始めて驚いた。軽い!! こぎ出しでスッとバイクが前に出る。
実はタイヤを換える前に、軽量ホイールだけを先に試したことがあったのだが、感覚的にはあまり違いが分からなかった。試しにヤビツ峠を登ったところ、タイムとしては過去2番目のタイムが出たので効果はあるのだと思うが、体感的にはタイヤ幅が28Cから25Cに細くなって空気圧が上がったことによる乗り心地の悪化のほうが気になっていた。
なので、筆者のセンサーでは軽さの違いはあまり分からないのか? と思っていたのだが、タイヤを換えた今回は明らかに差を感じた。なので、もしかしたら軽さではなく転がり抵抗の少なさから感じる違いなのかもしれない。ただ、転がり抵抗が少ないと言っても、グリップ感が少ないかというとまったくそんなことがないから不思議だ。手にはしっかりとグリップ感が感じられて、たとえば細くて高圧にしたタイヤのような、接地感の少なさもない。
しばらく走ってみると、乗り心地が良いことに気がつく。28Cタイヤと比べると空気圧は高め(筆者の体重やバイクの重さから出した適正値 6.5Barほど)で、確かに空気圧の高さは感じられるのだが、たとえば段差を越えたときの角の部分、あるいは路面の小さな凹凸に対して、タイヤがしなやかにいなしてくれているようなイメージがある。
これは初めてチューブレスタイヤを使ったときに感じた印象に似ている。それまでのクリンチャータイヤは、荒れた路面でスピードを上げるとタイヤが跳ねる感じがあって、たとえば峠の下りでも、怖くてスピードが出せなかった。それがチューブレスタイヤにしたところ、その跳ねがなくなって、タイヤがしなやかに路面の凹凸に追従して、しっかりと接地、グリップできているようになった印象を受けた。
そのチューブレスタイヤを初めて使ったときの印象と同じような雰囲気をこのチューブ入りのPOWER TIME TRIALには感じる。これまでグリップならチューブレスに限ると思っていたが、考えを改めるべきかもしれない。
さきほどのグリップ感も、タイヤのトレッドのコンパウンドを柔らかくしてグリップを上げているというより、ケース全体のしなやかさで路面に密着している。あくまで素人の印象だがそんな感じを受ける。
ただ、実はこれ、筆者的には実にミシュランっぽいと感じる部分でもある。と言うのも愛車のロードスターにもミシュランのスポーツタイヤ Pilot Sport 3を装着しているのだが、それもこんな印象なのだ。
実はロードスターにPilot Sport 3を装着した時の最初の印象は、「これは失敗した」だった。
というのも乗った瞬間に乗り心地の良さを感じたからだ。それまでの筆者の常識だと、スポーツ用のハイグリップタイヤは、激しいコーナリングでもタイヤがたわまないようにケース剛性が高く、そしてトレッドゴムのグリップでガッチリ路面をつかむ、というものだった。だからスポーツタイヤは乗り心地が硬くて当たり前、そんなイメージを持っていた。
それがPilot Sport 3はあきらかに乗り心地がマイルドだった。柔らかいとまでは言わないが、路面からの入力が角が丸くなった感じで、ざらざらとした路面の感覚が伝わってくるそれまでのスポーツタイヤとは別ものだったのだ。だからすぐに「これは求めていたハイグリップスポーツタイヤではないな」と思ったわけだ。
しかしこれが走らせてみるとなにかが違う。端的に言えば、なぜかグリップが高いのだ。
例えばコーナーを攻めたとき、他社のスポーツタイヤのようにゴリゴリと、路面にトレッドをめり込ませながらグリップ任せに曲がるのではなく、タイヤ全体をしなやかにたわませつつ、だけど破綻はしない。まるで「竹」だ。曲がるけど折れない。突っ張るのではなく、しなやかにいなすイメージ。これが分かってくると本当に走らせるのが楽しくて、特にロードスターのようなクルマとの相性は抜群だった。
当時そんなインプレを書いたところ、オートバイでミシュランタイヤを使っている読者から、オートバイ用のタイヤでも同じような印象、というコメントを複数いただいた。
そしてロードバイク用のタイヤとして、かつてミシュランのLithion(リチオン)シリーズを使っていたのだが、これも同じような印象を受けた。今のタイヤと比べるとタイヤは細くグリップも低かったが、それでも全体的にしなやかで角が丸く、でもしっかりとねばるミシュランらしさが感じられて、チューブレスにする前は長らくリチオンシリーズを使い続けていた。
今回はさすがにレース向けタイヤということで、別ものだろうと思っていたが、使ってみるとまさにそんなミシュランタイヤらしさが随所で感じられる。レース用でもガチガチということはなく、マイルドな乗り味と、しなやかに路面とコンタクトする感じは、まさにミシュランのそれ。そこに、転がりの軽さ、こぎ出しの軽さが加わった、という印象で、最初は自分のような素人にレース向けタイヤのレビューができるか不安だったが、その良さは十分に実感できるものだった。
ヒルクライムでタイムは短縮できるのか? 近所の坂道で速攻チェック!!
とは言えレース用タイヤは速く走れなければ意味がない。
そこで家の近所で、ときどき練習に使っている平均勾配6.1%の坂に行ってみた。ここは距離は短いので、何度も登って降りてを繰り返しているのだが、当然ながらいつも1本目が1番よいタイムで、回を重ねるごとにくたびれてくるし、タイムも落ちてくる。
これまでのベストタイムは1カ月以上前に出した1分54秒、平均18.6km/hというもの。ただ、普段は2分を切れるのもまれで、このときなぜこんなに良いタイムが出たのかは謎。ホイールだけジャイアントの軽量ホイールにして挑戦しても、タイム更新はできないでいた。
ではニュータイヤではどうか? これでタイム更新できればなかなか良いネタになるな、などと思いつつ、気合いを入れて1本目に挑む。すると、なんか速すぎない!? なにか様子が違うとふと見ると、なんとフロントのチェーンリングがアウターギヤ(重い方)のままだった。いつもなら坂がきつくなったところで軽いインナーギヤにするのだが、うっかりアウターのまま走っていた。でもなんか今日はこのまま行けそうなので、行けるところまでアウターのまま行くことにした。
タイム計測はアプリ任せなので、帰ってサイクルコンピューターのデータをアプリに落とさないとタイムは分からないが、あきらかにかつてないペースで登れた気がする。ただ、せっかくなので、2本目、3本目と繰り返してから帰宅。
帰宅してすぐにタイムを見てみると、やはりベストタイムが出ていた。一気に8秒短縮の1分46秒、平均20km/h! 割合にすると7%もの短縮だ。しかも驚いたことに、2本目のタイムが、過去ベストタイムと同じ1分54秒!! 2本目は疲れていてさすがにアウターギヤではいけなかったが、それでも過去ベストと同タイムが出るとは驚きだ。
もちろん最近は富士スバルラインに行きまくって練習しているので、その成果もあるだろう。とは言え、気のせいではないレベルで走りが軽くなっているし、気合いを入れた1本目だけでなく、2本目でもこれだけのタイムが出るということは、タイヤの効果は結構大きい気がする。
以前はレースとも無縁で、タイヤもパンクしにくいものを選んできた。だから足まわりの軽量化がタイムにどれぐらい効果があるのか、あまり実感したことがなかったのだが、少なくともヒルクライムレースでは結構な効果が期待できそうだ。
この週末は天気が怪しいので山梨まで行くかはまだ未定だが、これで昨年のタイムを更新できるかもしれない。できれば早く富士スバルラインで試してみたいものだ。
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