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ヤマハ、歌詞を入れるだけで“ボカロ曲”を自動的に作曲・生成する技術

 ヤマハ株式会社は21日、歌詞を入力するだけで、歌声合成技術「VOCALOID」による歌声とその伴奏を自動的に生成できる技術「VOCALODUCER」を開発したと発表した。

 漢字や数字を交えた一般的な日本語の文章で50文字以内程度の歌詞を入力すれば、2~8小節程度の“ボカロ曲”が自動的に生成される。メロディーラインの生成には、J-POPの作曲ノウハウをアルゴリズム化したというヤマハ独自の技術を使用。リズムパターン(34種類)、音高の変化(34種類)、コード進行(16種類)のテンプレートをそれぞれ指定することで約1万8000種類のメロディーラインを生成できるとしている。また、伴奏の曲調は、ポップス、ロック、ダンスなど約30スタイルから選択する。

 ヤマハは今冬より、VOCALODUCERをインターネット経由で利用できるSaaS型サービスをコンテンツプロバイダー向けに提供する。歌詞と作曲用のパラメーターを記述したXMLファイルをVOCALODUCERのサーバーに送信することでボカロ曲が生成され、そのMP3ファイルのダウンロード用URLが発行される仕組み。

「VOCALODUCER」SaaS型サービスのシステム構成

 ヤマハが2009年4月より提供しているSaaS型のサービス「NetVOCALOID」では、歌詞とメロディーに関するシーケンスデータをサーバーに送ることで歌声を生成できるようになっていたが、歌声の合成のみの対応であり、メロディーラインや伴奏についてはあらかじめコンテンツプロバイダーが用意する必要があった。今回発表したVOCALODUCERでは、歌声に加え、メロディーラインと伴奏も含めて自動生成できる。

(永沢 茂)