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Tegra 4搭載タブレット「ZOTAC Tegra Note 7」、日本でも

 NVIDIAの最新チップセット「Tegra 4」を搭載する7インチディスプレイのAndroidタブレット「ZOTAC Tegra Note 7」が日本国内でも12月4日に発売される。NVIDIAが提供するリファレンスモデルそのままのスペックで、製造メーカーは香港のZOTAC社。国内での販売代理店はアスクで、価格は2万5800円。

 2日、都内でNVIDIA主催の記者説明会が開催され、「Tegra Note 7」の概要が紹介された。

Tegra Note 7を手にするエヌビディア(NIVIDIA) マーケティング本部長の林憲一氏

4つの特徴

 Tegra 4は、今年1月に発表されたNVIDIA製の最新チップセット。クアッドコア(1.8GHz駆動)のCortex-A15ベースのCPU、72個のカスタムコアを持つGeForce GPUを備えており、よりリアルなゲームを楽しめる。このチップセットを搭載する「Tegra Note 7」は、今年9月にその存在がアナウンスされていたが、日本市場でもついに登場することになった。

 Android 4.2搭載で、1280×800ドットの7インチIPS液晶ディスプレイ、500万画素カメラを装備する。Bluetooth 4.0、Wi-Fi(IEEE802.11b/g/n)などをサポート。4100mAhのバッテリーも内蔵する。大きさは約120×190×9.4mm、重さは約320g。

 ハイエンドチップセットのTegra 4により、「Tegra Note 7」は“DirectStylus”という新しいスタイラスでの入力方法をサポート。またカメラ機能ではHDR撮影や、120fpsのスローモーション撮影などが可能で、サウンドも5ccの音響空間を筐体内に設けるなど工夫を凝らした。そしてこれまでのTegraと同じく、高い処理を求められる表現力豊かなゲームもスムーズにプレイできる。

追随性の高い書き味

 中でもユニークな機能はDirectStylus(ダイレクトスタイラス)だ。専用スタイラスが用意されており、利用してみると滑らかな書き心地が印象的。鉛筆で文字を記すように、画面上に手のひらをつけて操作してもそのまま描ける。

 これまでスマートフォンなどでスタイラスを利用する場合、静電容量を検知するタッチパネルでは、ある程度、ペン先が太いスタイラスでなければ十分な静電容量を確保できず、ペン入力ができなかった。この場合ペン先が太いため、細かく描くのが難しく、筆の軌跡を見るのも難しい。ただし、パッシブ型スタイラスと呼ばれるこの方式には安価という大きなメリットがある。

 一方、漫画家などにも利用される、いわゆるペンタブレットはペン側に電子回路を内蔵し、ペンの動きをペンタブレット本体で検知しながら入力できるため高い精度での入力が可能だが、製造コストがかさみ高価なものだ。こちらはアクティブ型スタイラスだ。

 一方、NVIDIAのDirectStylusは、静電容量対応のパッシブ型ながら、タッチの検知頻度や処理を工夫することでアクティブ型なみの精度に仕上げた。たとえばペン先の圧力検知は、物理的な力の加わり具合をチェックしているのではなく、専用スタイラスのペン先の設置面積の変化によって、静電容量が変化することを検知し、圧力値にしてアプリ側に伝える、という仕組みだ。

 このスタイラスによる入力を活用する機能として、画面をキャプチャーして、好きな内容を書き込み、画像として他のアプリに転送する、という機能が用意される。地図をキャプチャーして道を案内してメールで送る、といった用途で利用できる。

12月にAndroid 4.3へ

 Android 4.2で出荷される「Tegra Note 7」だが、発表会では、12月中にもAndroid 4.3へのアップデートが実施されることが明らかにされた。その次のAndroid 4.4への更新時期は未定ながら、NVIDIAでは更新を提供する方針を示している。

Tegra Noteの位置付け

 Tegra Noteは、NVIDIAがメーカーに示す、リファレンスモデル(製品化で参考するモデル)と位置付けられている。そのため、メーカーによっては独自仕様を追加し、自社ブランドの製品として発売されることもあり得るという。ただし、今回のほうだとZOTAC製品は、商品名がそのまま「Tegra Note」となり、機能も追加されておらず、いわば“素の状態”での提供となる。

 こうしたモデルをNVIDIAが提供する理由について、マーケティング本部長の林憲一氏は、他社との競争や市場動向の変化を受けて、メーカー側が取り組むべき製品開発上の課題は多く、「タイムリーに反応するのは厳しい」と指摘。Tegra Noteのような存在があれば、これまでより迅速に製品を投入できる、というメリットがあるとした。

 「これまでNVIDIAはハードだけを担当していたが、Tegra Noteはソフトウェアを含め、エコシステムも一部担当している」とのこと。製造はあくまでメーカーが行うとのことで、販売もNVIDIAはタッチせず、メーカー側の代理店が手がけるとのことで、今回も日本国内の販売はアスクが行う。

書道家の涼風花氏
左からエヌビディアの林氏、涼風花氏、ZOTAC社のウォン・シー ハオ・トニーCEO、プリセットゲームを提供するイニスの矢野慶一副社長

(関口 聖)