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結婚披露宴などでの楽曲使用料を一元処理、ISUMがシステムのテスト運用開始

 一般社団法人音楽特定利用促進機構(ISUM)は20日、結婚披露宴や二次会パーティーの演出、結婚記念品などのブライダル演出で利用される楽曲について、著作権・著作隣接権の処理をオンラインで行えるシステムのテスト運用を開始した。システムの本運用は4月1日開始予定。

 ISUMでは、ブライダル市場では市販楽曲を利用した演出や商品が不可欠なコンテンツとなっている一方、楽曲の利用の際には各権利者に許諾を得る必要があり、利用窓口の一元化を望む声があったとして、市販楽曲の適法利用スキームによる著作権・著作隣接権の許諾申請・代行収受を行うワンストップシステムを事業者向けに提供する。

 システムでは、結婚式や披露宴、結婚パーティーなどで、会場で流れるBGM(音声演出コンテンツ)や、会場で上映するムービーなどでの楽曲利用(映像演出コンテンツ)、当日の模様を撮影したビデオ(記録ビデオ)を対象として、それぞれ製造したCDやDVDの複製権にかかる著作権・著作隣接権使用料の代行収受を行う。

 料金は、著作隣接権使用料が1曲2000円×製造数、著作権使用料(JASRAC管理楽曲の場合)が1曲200円または1分あたり500円(動画のBGMとして使用した場合)。著作権使用料と著作隣接権使用料の合計の10%にあたるシステム利用料も別途必要となる。

 利用料金例としては、音声演出コンテンツで合計10曲を使用した場合が2万5300円、映像演出コンテンツで1曲使用した場合が2420円、映像演出コンテンツおよび記録ビデオで1曲使用した場合が3630円(いずれも1枚製造の場合、消費税別)といったケースが挙げられている。

 対象楽曲は、レコード協会を通じて各レコード会社から許諾を得た約600曲で、楽曲の一覧はISUMのサイトで確認できる。ISUMでは利用者からのリクエストを募り、随時楽曲を増やしていくとしている。

(三柳 英樹)