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米Facebook、巨大メッセージサービス「WhatsApp」を160億ドルで買収

 米Facebookは19日、巨大なクロスプラットフォームモバイルメッセージサービス「WhatsApp」を、約160億ドルで買収することで両社が最終的な合意に達したことを発表した。取引は40億ドルの現金と、約120億ドル相当のFacebook株式で行われる。

 WhatsAppは買収後も、Facebookメッセンジャーとは独立したブランド、サービスとして存続する。WhatsAppのCEOで共同創業者の1人であるJan Koum氏は、Facebook取締役に就任する。

 WhatsAppはクロスプラットフォームなメッセージアプリだ。対応プラットフォームはiPhone/Android/BlackBerry/Windows Phone/Nokia/Symbian。メッセージにはテキスト以外に音声、動画、画像も送信でき、グループチャットも可能だ。

 WhatsAppに広告は表示されない。アプリは無料でダウンロードでき、最初の1年は試用期間として無料。その後は毎年1ドルを支払うことで利用を継続できる。

WatsAppのホームページ

 Facebookの発表によると、WhatsAppの利用者は毎月4億5000万人を超え、そのうち70%がアクティブユーザーだ。メッセージ量は全世界の電話会社が取り扱うSMSメッセージ量にほぼ相当する。さらに、毎日100万人の新規ユーザー登録があるという。

 FacebookはInstagramで成功した方法を取り入れ、WhatsAppの独立性を維持する方針だ。本社も現在のカリフォルニア州マウンテンビューに残す。

 FacebookメッセンジャーはFacebookの友人とやり取りするために使われるが、WhatsAppは連絡先に載っているすべての人に連絡したり、小さなグループ内での連絡に利用できるため、お互いに補完できるとしている。また、WhatsAppは、世界中の全人口に基本的なインターネットサービスを提供するという「Internet.org」の活動にも貢献する見込みだ。

(青木 大我 taiga@scientist.com)