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NTTレゾナント事業説明会「今後10年で売上規模1000億円の大台を目指す」

おもてなし強化とスマホ検証サービスのB2Bグローバル展開に注力

 NTTレゾナントは4月24日、10周年を迎えて事業説明会を開催した。同社代表取締役社長の若井昌弘氏は、今後10年の数値的な目標として、「2012年は300億円の事業規模だったが、グローバルなサービス展開とBtoCだけでなくBtoBビジネスに合わせて注力することで、次の10年で1000億の大台にのせたいと考えている」と述べた。

 今後の事業展開では、Q&Aサービス「教えて!goo」、ECサービス「NTT-Xストア」、店舗情報などを提供する地域情報サービス、開発者支援ポータル「Developers AppKit Box」を4つの柱として、その基盤となる分析技術とアドテクノロジー強化に注力していくとした。

サービスを横断するデータ解析による「おもてなし」強化

NTTレゾナント 代表取締役社長の若井昌弘氏

 若井社長は、これまでは「教えて!goo」や「gooブログ」など、サービスごとにシステムを構築・改良してきたが、今後はサービスを横断するデータ解析によりユーザーの行動を予測し、ユーザーが必要とする情報にアクセスしやすくする“おもてなし”(行動支援サービス)を実現するとした。

 NTTレゾナントでは、行動支援サービスの実装により、広告クライアントのROI(Return on Investment、投資収益率)志向の高まりにも対応する考え。行動支援サービスで再重視するサービスとしては、「教えて!goo」を上げる。「教えて!goo」は月間ユニークブラウザ(UB)がPCで2800万、スマホで2600万とgooサービスの中で最も利用者が多いだけでなく、ユーザーの興味関心のあるテーマが把握しやすいことがその理由だ。

 レコメンドDBを構築し、教えて!gooで「子供が熱を出しました」といった質問を閲覧したユーザーには横断的レコメンド枠でgooヘルスケア、gooベビーなどの関連するコンテンツを表示することで、ユーザーが必要とする情報を得やすくすると同時に、PV向上を図る。

 おもてなし検索ではこれをさらに推し進め、現在の季節や時間、スマホであれば位置情報、ユーザーのプロファイル、過去の閲覧履歴などから、キーワード検索でもユーザーのより知り合いと思われる情報を上位に表示。ユーザーが知りたい情報のジャンルなどを登録することなしに、外出先なのか屋内か、季節はいつか、昼か夜か、などの情報も合わせてユーザーがそのとき必要な情報を判断し、優先順位が高いと思われる情報を上位に表示するなどで利便性を高める。

 同様に、広告表示についてもユーザーの関心でターゲティングするといった広告露出を行い、ユーザーの関心・志向に合わせた広告を表示することで広告効果を高めたい考えだ。

「サービス起点」から「お客様起点」へ
データ分析を軸とした今後の事業展開

クラウド型スマホ実機検証サービスのグローバル展開を加速

 BtoB事業にも力を入れていくとするNTTレゾナントが注力するのが「Developers AppKit Box」だ。「Developers AppKit Box」はクラウド型のスマートフォン実機検証サービスで、国内で2012年11月にサービス提供を開始し、大手顧客では専用サーバーを立てるなどのSI事業も行う。北米市場向では、2013年10月にSaaS用データセンターを立ち上げている。

 実機検証できる機種は220種を超え、日本、北米、中国のスマートフォン・タブレット端末をリモートで検証可能で、全世界で5000アカウントが利用する。顧客は米国、インド、韓国、中国、シンガポール、ロシア、フランス、英国、オーストラリア、ベトナム、ブラジルなど100カ国を超えており、NTTレゾナントでは国際的な需要を受けてグローバルな展開を加速する考えだ。

 2014年度には北米、ヨーロッパ市場へ進出し、スマートウォッチなどウェアラブル端末や車載端末などの技術検証も実施。2016年度にはオフショア開発が盛んなアジアなどのアウトソーシング市場、新興国市場へ展開。端末対応では、スマホ・タブレットに続く新スマートデバイスにも対応を広げていくとしている。

Remote Testkitの主な特徴
Jenkinsとの連携によるモバイルアプリ開発の迅速化

(工藤 ひろえ)