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米Microsoft、超人気箱庭系ゲーム「Minecraft」のMojangを25億ドルで買収

作者の“notch”は退社へ

 米Microsoftは15日、スウェーデンのストックホルムに本社を置くMojangを買収することで最終的に合意したと発表した。買収金額は25億ドル(約2680億円)で、買収手続きは2014年後半に完了予定だ。

 買収後、MojangはMicrosoftのゲームソフト部門であるMicrosoft Studiosに加わり、現在提供されている全プラットフォーム(PC、Mac、Xbox 360、Xbox One、PS3、PS4、PS Vita、iOS、Android)でMinecraftの開発とサポートを継続する。コミュニティのサポートもこれまで通りで、Xbox部門長であるPhil Spencer氏は、Minecraftコミュニティの大会「MINECON」を今年も開催することを発表した。

 買収に伴い、Minecraft作者であるMarkus“Notch”Persson氏とMojang共同創業者であるCarl Manneh氏、Jakbok Porser氏はMojangを退社し、Minecraftとは関係のない別の小さめの実験的プロジェクトを開発したい考えだ。

 Notch氏は、Minecraftをインディーズゲームとして公開した作者として、またクリエイターとしての発言も有名だ。今回の決定については、Minecraftが思わぬ規模で爆発的に拡大し、それに伴う開発やサポートなど実際の仕事に多くの社員が従事する中で、Notch氏は戸惑いを感じ退社を考えていたが、会社のカルチャーにとってNotch氏の存在が重要だと説得されたために今まで残り続けたと説明している。

 また、自分がMinecraft作者としてある種の「シンボル」として祭り上げられてしまった心情について、「私は、シンボルになってしまった。私は自分でも分からない何か巨大な物のために、私が働き続けたくない何かのために、私に迫り続けるその何かのためのシンボルになりたくない。私は起業家ではない。私はCEOでもない。私はTwitterで意見するのが好きなただのおたくっぽいコンピュータープログラマーだ」と吐露した。

 Notch氏は、Mojangの最大株主であり、今回の売却によって多額の売却益を得ることは確実だ。これについては「お金が問題なのではない。自分が健全な心を保つためだ」と説明している。

 Minecraftは単なるゲームを超え、子供から大人までユーザーが自由にコンテンツを作成することができるプラットフォームとなった。特に若年層の間で大人気で、プログラミングや工学的教育に有用であるとの見方もある。そのため「現代のレゴ」と称されることもあり、もはや単なるゲームの枠を超えている。

 発表によれば、2009年以来、PCだけで1億ダウンロードを超え、歴史上最も人気のあるゲームの1つとなった。それだけでなく、Xboxでは最人気のオンラインゲームであり、iOSとAndroidでは米国で最も人気のある有料アプリだ。

(青木 大我 taiga@scientist.com)