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「日本のパソコンが変わる」新Office、今日10月17日発売

プラネタリウムで記念イベント

 日本マイクロソフト株式会社が17日、新しい「Office」を発売する。各メーカーから発売されるPCにプレインストールされる「Office Premium」と、既存のPCにインストールできるサブスクリプション型の「Office 365 Solo」の2種類。ライセンス形態は、プレインストール台数が非常に多い日本独自のもので、他国では付与されていない商用目的での利用が可能。

発売イベントに駆け付けた、フリーアナウンサーの小林麻耶さん(写真左)と小林麻央さん(写真右)
会場は、プラネタリウム=クラウドに近いという意味と、新Officeのコードネーム「Gemini」から、東京スカイツリーに併設されている「プラネタリウム“天空”」で行われた

 Office Premiumは、Officeのデスクトップアプリを最新状態で使用できる永続ライセンスが付与されるほか、「OneDrive」による1TBのストレージ、「Skype」での月60分までの固定・携帯電話への無料通話、マルチデバイス対応、Officeテクニカルサポートを「Office 365サービス」として1年間利用できる。Office 365サービスの更新も可能で、1年間のライセンス更新料は5800円(税別)。

 Office 365 Soloは、既存のOffice製品の置き換えやOfficeを搭載していないPCに向けたもの。2台のPCあるいはMacで利用することができ、Office Premiumと同様にOffice 365 サービスを1年間利用できる。Office Premiumと異なり、Officeのデスクトップアプリも1年間の利用期間に含まれている。価格は1万1800円(税別)。

各メーカーPCに搭載される「Office Premium」
サブスクリプション型の「Office 365 Solo」
「Office 365 サービス」のライセンス更新料は1年分で5800円(税別)
新Officeのセットアップ方法

 日本マイクロソフト執行役専務マーケティング&オペレーションズ担当の平野拓也氏は、以前と比べてスマートフォンやタブレットで情報を閲覧するシーンを街中でよく見かけるようになったとした上で、スマートデバイスだけでは、デジタルワークやデジタルライフを送ることは難しく、仕事、学業、趣味などではPCは必要不可欠と指摘。PCとクラウドの連携の必要性は明確であり、スマートフォンやタブレットとも連携したいというニーズから、新Officeを発表したという。

日本マイクロソフト株式会社執行役専務マーケティング&オペレーションズ担当の平野拓也氏
新Officeによりライフスタイルが変わるとしている

 また、日本マイクロソフトOfficeビジネス本部プロダクトマネージャーの中川智景氏は、これまでは発売日時点での最新のOfficeを使い続ける必要があったが、昨今、PCのライフサイクルが長くなっており、古いOfficeを使う人が増えたという。Office Premiumでは、常に最新のOfficeを使うことができ、外出先でPC内のデータを使いたい場合はクラウドを用いることで、スマートフォンやタブレットなど好みのタイミングで利用できるとした。

日本マイクロソフト株式会社Officeビジネス本部プロダクトマネージャーの中川智景氏
既存のOfficeとの変更点

日本のデジタルライフを世界最高に

 発売前日の16日に行われた新Office発売記念イベントでは、NEC、富士通、東芝の担当者が登壇し、新モデルの特徴と、PCのこれからの在り方についてコメントした。

 NECは、秋冬モデルでは主要機種にOffice Premiumを搭載。特に、11.6インチの2in1PC「Lavie U」などモバイルPCを強化する。NECパーソナルコンピュータ株式会社取締役執行役員常務の留目真伸氏は、モバイルPCは、スマートデバイスに食われると言われていたが、デバイスの住み分けがされ、モバイルPCの持つCPUのパワーや入力形態などを活かして存在しているとした。また、デジタルライフという言葉は言い尽くされた感があるが、消費者の生活を見るとまだまだ十分ではないという。PCのキラーアプリであるOfficeがクラウド時代にふさわしい進化を遂げ、PCを中心としたデジタルライフを提案することで、日本のデジタルライフを世界最高にしたいと意気込んだ。

NECパーソナルコンピュータ株式会社取締役執行役員常務の留目真伸氏
新設計のモバイルPC「Lavie U」

 東芝は、モバイルPCから、4K対応のノートPC、デスクトップPCなどでOffice Premiumを搭載。年末には新しいペン操作のPCも発売するとしている。また、映像事業も展開する同社ならではの機能として、テレビのレコーダーで録画した番組をネット経由で外出先から視聴できる機能をすべてのモデルで搭載する。株式会社東芝国内営業統括部部長の長嶋忠浩氏は、Windows XPのリプレースキャンペーンを展開した際に、4分の3のユーザーが買い替えを行い、予想以上に日本ではPCが必要不可欠なものと認識したという。また、Officeファイルの作成や編集など、生産性の高さでPCが再注目されており、手ごろなWindowsタブレットなどの投入でOfficeの世界が広がり、デジタルライフがより豊かになると期待したいと述べた。

株式会社東芝国内営業統括部部長の長嶋忠浩氏
モバイルPCから4KノートPC、デスクトップPCまでフルラインナップ

 富士通は、ノートPCのほかデスクトップモデルでOffice Premiumを搭載。特に、家族全員で使えるPCとして23インチタッチディスプレイを持つ「WH77/S」を紹介。タッチペンを利用できるのでOneNoteに最適としており、OneNote用のテンプレートを38種類用意している。富士通株式会社ユビキタスビジネス戦略本部本部長の高木達也氏は、以前はPCが情報の中心だったが、現在はスマートデバイスなどと住み分けられているとし、新しいOfficeにより、PCがすべてのデバイス/情報の中心になるだろうとした。また、スマートデバイスで撮影した写真を、Officeのテンプレートを使って自分を表現したり、コミュニケーションをするツールとしてPCならではの使い方を提案したいという。

富士通株式会社ユビキタスビジネス戦略本部本部長の高木達也氏
平らに近い位置までディスプレイを倒せるタッチPC「ESPRIMO WH77/S」

「1TBのような心の広い男性を見つけたい!」

 発売記念イベントには、フリーアナウンサーの小林麻耶さんと小林麻央さんが登場した。

フリーアナウンサーの小林麻耶さん(写真左)と小林麻央さん(写真右)

 姉の麻耶さんは、Windows 8のカウントダウンイベントにも出演しており、日本のPCが変わる歴史的な瞬間に姉妹で参加できることを光栄に思うと述べた。また、新Officeでのスマートフォンやタブレットとの連携について、「移動中や出先でも台本の整理や書き込みできたらいいなと思っていたのでとても画期的」と述べた。

 妹の麻央さんは、学生時代にPowerPointを利用していたという。また、アナウンサーという職業柄、台本や資料の整理のほか、プライベートでもブログ作成にPCを利用していると述べた。新Officeに含まれるSkypeの無料通話については、「旦那(市川海老蔵さん)が、来月シンガポール公演があるので、子共たちの様子をSkypeで伝えたい」とした。

 また、麻耶さんは、OneDriveでは1日に10枚写真を撮影したとして、およそ100年分の写真を保存できると聞かされると、麻央さんのお子さんの写真をたくさんアップして共有してほしいと頼むシーンも見られた。麻耶さんの未来の旦那さんについては、「1TBのような心の広い男性を見つけたい」と会場を沸かせた。

11.6型のモバイルノートPC「Lavie U」
デタッチャブル方式の採用で、ピュアタブレットとしても利用可能
11.6型エントリーモバイルノート「dynabook N51」
モバイルノートとしては珍しく有線LANポートを装備
23インチ液晶搭載タッチPC「WH77/S」
平らに近い状態まで寝かせられる
約745gを実現した「Let's Note RZ」
液晶を360度回転できる
「Surface Pro 3」もOffice Premiumを搭載する

(山川 晶之)