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Firefoxの新規タブに広告表示を開始、タイルの一部サムネイル画像が広告に
(2014/11/14 10:34)
米Mozillaは13日、Firefoxブラウザーの新規タブにおいて、タイル形式のサムネイル広告の表示を開始すると発表した。
これまで新規タブには、頻繁に訪問したウェブサイトのサムネイル画像がタイル上に表示されていた。今後は、ユーザーが設定を変更しなければ、タイルの一部がスポンサーによるサムネイル画像広告に置き換えられることになる。
Mozillaは新規タブに広告を表示することで、ユーザー体験を乱すことなく収益化できないか1年ほど検討を重ねてきた。
広告は日本を含む25カ国・8言語で開始される。広告を表示するために、MozillaはWPP傘下の広告代理店Mindshare North Americaと提携した。最初の広告はCVS HealthとBooking.comで、CVS Healthの広告は米国限定となる。
提携に際し、Mozillaの原理原則の枠内で広告を表示できるか検討を重ねたという。広告にはビーコンやトラッキングコードを埋め込まず、「ほとんどのデジタル広告ネットワークがしているようなデータ収集を行わない」と言明している。さらに、アルコールや医薬品など、年齢制限などを考慮しなければならないジャンルの広告は表示しない。
Firefoxの新規ユーザーにはおすすめサイトのタイルを、ブラウジング履歴を持つ既存ユーザーには今回発表された新しい「エンハンストタイル」が表示される。このエンハンストタイルを表示しないように設定することもできる。新規タブページ右上の歯車アイコンから、「強調」チェックを外せば、新広告は表示されない。
Mozillaは、新規タブに表示される内容は進化し続けると説明しており、そのために何より重要なのは「ユーザーの信頼を獲得し維持し続けることだ」とコメントしている。
米NetApplicationsの調査によれば、世界のブラウザーシェアは現在、MicrosoftのInternet Explorerが48.71%、GoogleのChromeが21.41%、AppleのSafariが11.89%、MozillaのFirefoxが11.62%だ。他社と異なり、Mozillaは非営利団体であり、収益のほとんどをデフォルトサーチエンジン設定の契約を結んでいるGoogleから得ている。そのため別の収益源を確保することがMozillaのサステイナビリティにとって重要だと考えられている。