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月額500円で雑誌“準新刊”読み放題、つり人/HiVi/ビール王国など17社92誌

オプティムが「タブホ」iPad版アプリ公開

 月額制の定額料金でPCソフトが使い放題となるサービスなどを提供している株式会社オプティムが、今度は電子雑誌の“準新刊”がタブレット端末で読み放題となるサービスを開始した。

 19日、タブレット端末向けサービス「タブレット使い放題 powered by OPTiM(タブホ)」のiPad版アプリをリリースした。当初、出版社17社の92誌・296冊がラインナップされており、月額500円でそれらのフルコンテンツが読み放題となる(サービス開始記念として、19日から1カ月間は200円)。追って12月上旬にはAndroidタブレット版アプリをリリースするほか、12月下旬にはスマートフォン版サービスも開始する予定。

 電子雑誌の読み放題サービスはすでにいくつか登場しているが、タブホの特徴は“準新刊”という部分にある。オプティム代表取締役社長の菅谷俊二氏によると、コミック雑誌においては単行本やアニメ・映画化、グッズ販売など、雑誌のコンテンツが何度もマネタイズされているのに対し、その他のジャンルの雑誌は、非常にクオリティの高いコンテンツが提供されているにもかかわらず、マーケットのほとんどが書店での新刊販売で終わっていると指摘。新刊以外の“セカンドマネタイズ”がほとんどなされていなかったとして、準新刊という新しいマーケットにフォーカスした理由を説明した。

 これにより、伝統的な書店販売による新刊雑誌マーケットと競合することなく、出版社側にとって新たなセカンドマネタイズの機会が生まれるという。また、個人情報を特定できないかたちで読者の閲覧情報データを蓄積する“雑誌ビッグデータ”システムにより、属性別のページごとの閲覧数や滞在時間をはじめ、他にどのような雑誌を読んでいるかといった分析も出版社に提供される。

 こうして出版社側へのメリットが生まれることで、ユーザーには読み放題サービスを低額で展開できるほか、他社の電子雑誌読み放題サービスでは紙と同じフルコンテンツが読める雑誌は15〜40%にとどまるのに対し、タブホではほとんどの雑誌において、紙の誌面と同じフルコンテンツ(広告ページを除く)が提供される点もアピールしている。

 ビューアーは、ストリーミングでの雑誌閲覧に最適化したものを開発したとしており、ページめくりの滑らかさや表示速度が「おそらく国内最速」(菅谷氏)の電子雑誌ビューワーだという。また、雑誌をタブレット端末にダウンロードしてキャッシュしておくことで、オフライン環境での閲覧にも対応する。

 サービス開始当初、タブホに参画した出版社・雑誌92誌は以下の通りで、経済・ビジネスから趣味、モノ系、生活、グルメ、旅行、スポーツなど多岐にわたる。

  • 株式会社ウェッジ:「Wedge」
  • 株式会社つり人社:「つり人」「Basser」「FlyFisher」
  • 株式会社パーゴルフ:「週刊パーゴルフ」
  • 株式会社JTBパブリッシング:「るるぶ47都道府県」「るるぶ 温泉&宿シリーズ」「るるぶ こどもとあそぼシリーズ」全60誌
  • 株式会社プレジデント社:「プレジデント」「プレジデントファミリー」「dancyu」「七緒」
  • 株式会社東洋経済新報社:「週刊東洋経済」
  • 株式会社集英社:「週刊プレイボーイ」
  • 株式会社ブックビヨンド(学研グループの電子書籍事業会社):「GetNavi」「ウォッチナビ」「CAPA」「デジキャパ!」「ドゥーパ!」「ル・ボラン」「うちの猫のキモチがわかる本」
  • 株式会社誠文堂新光社:「フローリスト」
  • 株式会社マイナビ:「Mac Fan」「iPad Fan」「将棋世界」
  • 株式会社経済界:「経済界」
  • 株式会社ステレオサウンド:「HiVi」
  • 株式会社ワイン王国:「ワイン王国」「ビール王国」
  • 株式会社徳間書店:「GoodsPress」「食楽」
  • スターツ出版株式会社:「OZmagazine」「OZplus」
  • 株式会社クレタパブリッシング:「風まかせ」
  • 株式会社ソル・メディア:「フットボリスタ」

 提供される“準新刊”の範囲は雑誌によって異なり、例えば「HiVi」は月間更新で過去12号分、「週刊プレイボーイ」は週間更新で過去3号分、「つり人」は月間更新で過去1号分といったかたちだ。一方、過去24号分や無制限としている雑誌もあるほか、「るるぶ」各シリーズは年間更新のため、準新刊ではなく、各タイトル最新1号が提供される。なお、フルコンテンツではない“ライト版”での提供は「東洋経済」のみ。

クラウドストレージやネットプリントなど付加サービスも提供

 タブホでは、電子雑誌読み放題のほか、クラウドストレージやネットプリントの付加サービスも月額500円の中で提供する。

 オプティムが今後提供予定のアプリ「家族カメラ」を使い、家族が各自のスマートフォンなどで撮影した写真を1GBのクラウドストレージで同期して共有できるようにするほか、その中から気に入った写真をネットプリントジャパン株式会社のサービスで注文できる。ネットプリントは月15枚まで無料で、以降は1枚5円。

 オプティムでは、App StoreやGoogle Playを通じてタブホをユーザーに直接販売するほか、モバイルキャリア系の読み放題サービスが用意されていないMVNO事業者やCATV・固定通信事業者、Wi-Fiモデルが主流となっているタブレット端末メーカーなどのパートナー経由でも提供していく。パートナー経由での料金は月額500円からとなっており、電子雑誌読み放題、クラウドストレージ、ネットプリントに加えて、端末の水漏れ・破損に対する2年間の保証サービスをユーザー負担金なしで提供。タブレット端末向けの総合サービスとして展開したい考えだ。

19日に都内で開催された「タブレット使い放題 powered by OPTiM」の発表会で

(永沢 茂)