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欧州議会、“Google分割”の検討を促す決議案を可決〜強制力はないが、欧州委員会に圧力をかける

 欧州議会は27日、実質的にGoogleを対象に検索サービスを分割するよう促す決議案を賛成多数で可決した。

 決議案は欧州委員会に対し、検索サービスとその他の商業的サービスを分割することを求めている。欧州市場ではGoogleが90%のシェアを持っており、Googleの検索サービスと広告を含む商業的関連サービスを分割することを実質的に促している。決議案は賛成384、反対174、棄権56で承認された。

 しかし欧州議会には企業分割の権限はなく、従ってこの決議案にも法的拘束力はない。今後、欧州委員会によりEU競争禁止法(独占禁止法)による規制などが検討されることになる。

 決議案では、欧州委員会に対し、「検索エンジン事業者によって相互に接続された複数サービスをマーケティングする際に悪用を防ぐ」ことを要請。さらに、検索エンジンについて「インデックス手法、評価方法、表示方法、検索エンジンのランキングが公平かつ透明でなければならない」と指摘する。

 その上で、「長期的にはEU競争法により検索エンジンを他の商業サービスと分割することを目的とした提案を検討する必要がある」としている。

 この決議案の中で、欧州議会はGoogleを直接名指しすることを避けた。しかし、欧州議会最大会派である欧州人民党は競争法に関連して、「欧州委員会は、Googleの事案を解決するために4年以上を費やしてきた。我々は、公正な競争を確保し、平衡の取れた和解に到達するためにあらゆる選択肢を模索することを欧州委員会に要請する。これには分割の選択肢を含むことができる」と述べた。

 また、これを受けて欧州委員会副会長のAndrus Ansip氏は演説の中で、「この問題に対処するために競争法を用いることができる。デジタル単一市場を妨げる競争法違反の問題となれば、欧州委員会は、引き続き警戒することになる」と述べ、EU競争法の適用の検討を強く示唆した。

 なお、Googleだけでなく、Microsoft、Facebook、Yahoo!、eBayなども加盟している欧州のロビー団体であるComputer and Communications Industry Association(CCIA)は一連の動きに対して、11月23日付で、「この動きは、明らかに1つの会社に向けられているにもかかわらず、この動きで用いられている方針、一般的にはGoogleの独占に関連した事案を取り巻いている政治問題は、より幅広い意味を持っており、インターネット経済全体に対する脅威となる」とコメント。他のインターネット企業に対する分割など深刻な影響が出てくると示唆していた。

(青木 大我 taiga@scientist.com)