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壁に掛かった風景画が風にそよぎ、肖像画がほほ笑む……止まった画像に動きを与える照明「変幻灯」、NTTが開発

 人間の錯覚を利用し、印刷物や写真、絵画などの静止画を動かすことのできる光投影技術「変幻灯」を、日本電信電話株式会社(NTT)が開発した。

 変幻灯は、プロジェクターで対象物に映像を投影するプロジェクションマッピングの一種と言えるが、モノクロの動きのパターンだけを投影することで、止まっている対象物に動きだけを与えることができる点が特徴。実際は静止画に含まれている色や形はそのまま見えており、画像として正しく動画にはなっていないが、それを見た人間の脳がまるで正しい動画であるように知覚するのだという。

 静止画を揺らすことで炎のゆらめきや風や水面の印象を再現できるほか、肖像画や人物の写真がほほえむといった視覚体験を生み出すこともでき、サイネージやインテリア、エンターテインメントなどの分野で応用が期待されるとしている。

変幻灯

(永沢 茂)