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「アールグレイの由来は」……Google、質問の意味を理解してウェブから答えを探し出す新機能

 グーグル株式会社は19日、新しい検索サービスとして、検索の意図を理解し、その質問の回答に一番近い情報をウェブ上から抽出して表示する機能の提供を開始した。スマートフォン/タブレットのGoogleアプリのほか、Android Wear、PC用ブラウザーで利用できる。

新機能で「アールグレイの由来」について検索すると、由来として最も最適な回答を引用して表示する

 これまでの検索では、キーワードの関連性が高い検索結果を、ウェブサイトへのリンクとして表示していたが、Googleが持つ自然言語処理技術、クエリの解釈、ページ内容の理解を組み合わせ、質問の意図を理解し、質問の回答に近いウェブページを見つける。検索結果のトップページには、質問の回答と判断した文章のスニペットを表示する。

 これにより、回答を探してウェブサイトにアクセスする手間が省けるほか、タイトルだけでは回答と異なるように見えても、実は質問の回答として的確に答えているウェブサイトなど、質問と回答のマッチング精度を高める。また、通常の検索で上位に表示される関連性が高いページ以外のサイトを引用することもあるという。

「ブラジルの国旗の由来」と検索すると、言葉の意味や由来について回答しているサイトのスニペットをトップページに表示する。スマートフォンを操作しているのは、グーグル株式会社ソフトウェアエンジニアの大倉務氏
今回の新機能を利用できるフレーズの一例

 Googleでは、音声検索やスマートフォンによる検索が普及するのにともない、これまでクエリを並べて検索していたのが、疑問について直接答えを求めるニーズの増加が、開発の背景にあるとしている。今回の新機能について、グーグル製品開発本部長の徳生裕人氏は、検索の機能として“階段を登った”と説明した。

 利用シーンとしては、「ブラジルの国旗の由来」「iPS細胞とは」「ふるさと納税とは」といった、言葉として聞いたことはあるがうまく説明できないフレーズであったり、言葉の意味や由来などを知りたい場合など。ただし、あくまで検索機能の延長線上であり、すべての質問に回答できるわけではなく、特にウェブにない情報は回答できない。徳生氏は、ユーザーの反応を見ながらチューニングしていきたいとした。

 なお、検索結果には今回の新機能のほか、ナレッジグラフなどグーグルの検索機能も併用している。「雪国の作者は」「かまぼこのカロリー」といったすでに確定している情報に関しては、ナレッジグラフが持つ情報を参照する。

グーグルでは、1年で1万件もの実験を行い、今この瞬間も300の機能について検証しているという。その結果、音声検索やナレッジグラフ、Google Nowなどの新サービスを提供している
ナレッジグラフは、知識の関連性をデータベースとして保持し、検索結果に利用する機能。例えば、「雪国の作者は」→「雪国は小説だ」→「小説には作者がいる」→「作者は川端康成」→「川端康成に関する作品を表示」といった、知識の関連性を紐付けたアルゴリズムを持つ

(山川 晶之)