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NTTとOKI、総伝送容量40Gbps・1024ユーザーの収容を可能とするWDM/TDM-PON技術を開発

 日本電信電話株式会社(NTT)と沖電気工業株式会社(OKI)は27日、波長多重技術と組み合わせた新たなPON技術「WDM/TDM-PON技術」を共同開発し、40kmの伝送距離と従来の40倍に当たる40Gbpsの総伝送容量、32倍のユーザー数にあたる1024ユーザーの収容を可能とする光アクセスシステムのフィールド伝送実験に世界で初めて成功したと発表した。

WDM/TDM-PONの概念図

 NTTとOKIでは、総務省の委託研究「超高速・低消費電力光ネットワーク技術の研究開発」を受託。ユーザートラフィックの増加に対応するための通信容量の大容量化と、伝送距離を伸ばすとともに収容ユーザーを増やすことで、装置を配置する局舎数や局舎内の装置数を削減し、効率的な運用と消費電力削減を実現する技術として、研究開発を進めてきた。

 WDM/TDM-PON技術は、従来のTDM-PON技術と、コア/メトロネットワークで活用されてきた長距離伝送用の波長多重(WDM)技術を組み合わせたもの。効率的に複数のユーザーを収容できるTDM-PON技術に加え、WDM技術によって総帯域を大きく拡大するとともに、少ない損失で長距離の伝送が可能となる。

 NTTのアクセスサービスシステム研究所とOKIでは、WDM/TDM-PONでONUごとに異なる使用波長に対応した波長可変機能付き光送受信器や、波長多重バースト光増幅器、波長切替制御プロトコルを開発。今回の技術開発で得られた成果は、ITU-T G.989(NG-PON2)の標準化活動に提案し、採択される見込みだとしている。

 また、今後は開発したWDM/TDM-PON技術のさらなる信頼性向上を目指すとともに、装置の小型化にも取り組み、国内外の機関とも連携して成果のグローバル展開を目指していくとしている。

実験の様子の写真

(三柳 英樹)