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「OS X El Capitan」発表、各アプリケーションの機能強化やパフォーマンス改善など順調進化

 米Appleは8日、Mac向けの新OS「OS X El Capitan」を発表した。El Capitanとは、米国ヨセミテ国立公園にある花崗岩の一枚岩を指す。今秋提供開始予定で、無償アップデートとなる。

「OS X El Capitan」

 OS X El Capitanでは、「洗練された体験」と「パフォーマンスの向上」を掲げている。検索機能「Spotlight」では、検索バーから天気、スポーツ、株価、主要動画サイト上の動画、交通機関などの情報が検索できる。話し言葉でのメールやファイルの検索も可能。また、ウィンドウ管理も強化され、Windows 8.1ライクに2画面で作業できる「Split View」に対応。

 メールアプリケーションでは、受信ボックスの管理をスワイプ操作で管理できるようになった。フライトの予約メールやイベントの日時などに関するメールを受け取ると、1クリックでカレンダーに追加できる。メモ機能も強化され、写真、動画、URL、地図の位置などを追加可能。また、チェックボックスを追加でき、チェックリストを作成できるようになった。メモはiCloudで同期され、iOS端末で確認できる。

 写真アプリケーションでは、機能の拡張に対応。初めから内蔵されている編集機能のほかに、サードパーティが提供する編集機能を追加できるようになった。また、管理ツールが強化されたほか、パフォーマンスも改善されている。

 そのほか、4種類の日本語フォントを追加。日本語入力エンジンも新しくなり、語彙が増加してるほか、言語エンジンを改良。ひらがなを入力するのとほぼ同時に自動的に変換する。

 また、アプリケーションの起動を最大1.4倍高速化したほか、アプリケーションの切替速度を2倍に、プレビューでPDFを開く速度を4倍に高速化している。さらに、iOS 8より搭載されている「Metal」がOS Xでも利用可能となった。システムレベルのグラフィックレンダリングを最大50%高速化するほか、ドローコールパフォーマンスが最大10倍高速化している。ゲームグラフィックス以外にも、GPUを使用するAdobe製クリエイティブソフトなどにも有効だとしている。

 OS X、iOS、Apple Watch向けの「watchOS」向けプログラミング言語「Swift」は、バージョンアップして「Swift 2」となった。新しいエラー処理用APIや、古いOSをターゲットにアプリケーションを開発する際のサポート機能を搭載する。さまざまな構文の強化も施されている。Swift 2は、年内にオープンソースプロジェクトとして展開する。

(山川 晶之)