イベントレポート
CEATEC 2025
TDK、ゲーミングデバイスやARグラスの「ドリフト」を抑える技術を展示、ARグラス向けの網膜投影ディスプレイも
2025年10月14日 15:40
TDKは、10月14日~17日に幕張メッセで開催されているCEATEC 2025で多数の電子デバイスを出展している。
ARグラスに使える網膜投影ディスプレイや、アナログで演算するため低消費電力でAI演算を行う「アナログリザバーAIセンサシステム」のほか、「ゲーミングデバイスにも使える」(説明員)というトンネル磁気抵抗(TMR)センサーやMEMSセンサーを紹介。さらに、応用例としてセンサーで高機能化した視覚障碍者向けの白杖や、ポルシェと技術提携したことをアピールするドライブシミュレーターなどを出展している。
網膜投影ディスプレイを「ARグラス向け」として出展
同社がQDレーザと共同開発した、網膜投影タイプのAR向けディスプレイデバイスも出展中だ。
「網膜への直接投影のため、遠くのものを見ながらでも焦点のあった映像を投影できる」(説明員)ことから、ARに向いているとする。現在の試作機はのぞき込むタイプでメガネとの併用はあまり考慮されていないが、今後はメガネ状の試作品を検討していくという。
解像度は1280×720pで視野角は70°。
アナログAIチップで「絶対に負けないじゃんけん」を
また、シンプルなAI演算を低消費電力・低レイテンシで行えるという「アナログリザバーAIセンサシステム」の試作品も出展されている。
デジタル演算ではなく、アナログのまま演算をすることで低消費電力・低レイテンシを実現したほか、リアルタイム学習機能を持ち、また時系列学習に特化していることも特徴だという。
ブースでは、「じゃんけんを出す瞬間の指の動きをAIで読み取り、出す手を推測。絶対に勝てる手を出す」というデモシステムが動いており、実際にじゃんけんで対決できる。
ゲーミングデバイスにも使えるTDKのセンサー、ドリフト対策にも!
同社では、トンネル磁気抵抗(TMR)センサーや高性能MEMSセンサーもアピールしている。
スマホやARグラスに使われているが、意外にもその応用範囲は広く、スマホのカメラレンズのズーム位置検出やセンサーのドリフト防止にも役立つという。
また、今後は、ARグラスで「グラス内に画面を固定したのにズレてしまう」といった場合の補正やゲーミングデバイスでの活用も見込んでおり、特にゲーミングデバイスについては10月7日にプレスリリースも発表している。
高機能な「白杖」やポルシェとの提携アピールも
このほか、同社のセンサーで高機能化、ナビゲーションや障害物回避機能を備えた視覚障碍者向けの「白杖」や、ドライブシミュレーターをプレイアブルで出展。10月8日に発表されたポルシェとの技術提携もアピールしていた。