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地方移住先のソーシャルファインディングサービス「RegionWire」公開

 合同会社RegionWireは6日、移住先のソーシャルファインディングサービス「RegionWire」を提供開始した。移住者を募集する全国の自治体と移住を検討しているユーザーとの接点を、SNSを活用しながら創出するサービスだとしている。

 RegionWire代表の小槻博文氏は、地方への移住に前向きな都市在住者が20~40代で半数程度存在する一方で、移住者を募集している自治体の情報は十分に届いていないと指摘する。各自治体・地域による独自サイトなどで情報を発信しても、その地域に関心のある層にしか読まれないため、特定の移住希望地域がまだない“移住予備軍”まで含めて情報が広まらないのだという。

 一方で、各自治体・地域の移住募集情報を網羅的に提供する紹介施設やポータルサイトもあるが、そこでは通り一遍の募集要項しか提供・掲載されず、自治体・地域ごとの違いが分かりづらいという問題がある。情報が埋没してしまい、移住希望者の興味をひかないという。

 これに対してRegionWireでは、移住者を募集している自治体の情報をオリジナルの“ストーリー記事”として提供するのが特徴。地域活性プロジェクトなどに参画経験のあるスタッフが実際にその地域を訪問し、自治体の担当者や移住してきた人などをインタビュー取材するとともに、その地域の魅力も伝える記事を制作する。

 RegionWireでは、2014年に転入増加を実現した徳島県美波町の地域活性プロジェクトに参画した経験があり、SNS活用施策やマーケティング面での支援実績があるほか、地方指向者が多く集まるFacebookページ「地方創生のススメ」を運営。これまに多くの地域の事例を取材・記事化してきたという。こうした経験・ノウハウをもとに、自治体に対する地域活性のコンサルティングなども含めて事業として開始したのが、今回の移住先ソーシャルファインディングサービスだ。

合同会社RegionWire代表の小槻博文氏

 移住を検討しているユーザーは、Facebookアカウントまたはメールアドレスで会員登録することでRegionWireの機能を利用可能(記事閲覧は、会員登録なしでも可能)。ユーザーの属性や登録した希望条件(過ごしやすい気候/子育て環境/豊かな自然/アウトドアスポーツが楽しめる/生活コストが安い/仕事が見つけやすい/医療・福祉施設がある/買い物の利便性/支援制度が充実)に基づいて、地域の記事がレコメンド表示される仕組みだ。

 あわせてRegionWireでは、前述のようにストーリー記事として地域の情報を提供するため、“移住情報サイト”ではなく“地域情報メディア”として、移住検討層だけでなく、移住予備軍も含めて広く読まれることが期待されるほか、地方指向のSNSユーザーによる情報の拡散も期待できるとしている。

ユーザーの属性や登録した希望条件に基づいてお勧め順に各地域のストーリーが表示される記事一覧ページ
地域ごとの情報ページ
自治体担当者へのインタビュー記事ページ
移住者へのインタビュー記事ページ

 なお、サービス開始当初、RegionWireに情報を掲載しているのは、宮崎県小林市、沖縄県国頭村、徳島県海陽町、徳島県美波町の4市町村のみ。そのため、ユーザーの希望条件や地域の絞り込みには十分に対応できていないのが現状だ。今後、掲載自治体を増やしていくとしている。

 自治体がRegionWireに情報を掲載するのに必要な費用(税別)は、インタビュー記事および地域情報ページの取材・制作料が1回10万円(交通費や宿泊代は別途発生)、掲載料が年間30万円または6カ月間18万円(ただし、2016年3月末まで掲載料は無料)。

(永沢 茂)