活字離れの若者へ、縦スクロールのトークアプリ風読み物フォーマット「ストリエ」で大手出版社がラノベ配信

　株式会社インデックスは11日、ストーリーとイラストを組み合わせた読み物フォーマット「ストリエ」の正式サービスを開始した。大手出版社のライトノベル文庫レーベルが公式連載コンテンツを提供するほか、一般ユーザーからの作品投稿も受け付ける。

　ストリエで提供するコンテンツは、LINEなどのトークアプリの画面のように「テキスト」「イラスト」「フキダシ」で構成されており、スマートフォンから縦スクロールで読み進んでもらうことを想定している。叙述する地の文をテキストで表示する一方で、会話が入る箇所には登場人物のキャラクターアイコンを左右に配置。そこからフキダシが出るかたちでセリフを表示する。キャラクターアイコンは複数の表情パターンを設定できるほか、フキダシも風船型や破裂型などのデザインが用意される。さらに挿絵や擬音などをスタンプのように大きく表示したり、背景イラストを敷くことも可能。

　インデックスでは「マンガ文化の中で発展した日本独特のイラストとフキダシというビジュアル表現と、小説文化の中で発展した活字表現を掛け合わせた、新しい読み物スタイル」だとしており、「電子書籍市場でマンガがけん引していることからも、活字離れしている若者にも訴求できる」としている。

　ストリエは今年5月より、ユーザーが無料で作品を投稿・閲覧できるウェブサイトとしてベータ版サービスを提供していたが、今回、ストリエ形式のコンテンツを閲覧するための無料Android/iOSアプリも公開。また、出版社6社（一迅社、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、宝島社）のライトノベル文庫8レーベルが参加し、公式連載45作品の無料配信を開始する。

　このほか、ベータ版サービス時に投稿された約5000作品から選出したクリエイター3名の作品を公式チャンネルとして連載する。

公式連載

公式チャンネル

　ストリエへの作品投稿は、現時点ではPCからのみ対応している。テキスト、イラスト、フキダシを配置したストリエ形式の作品を直感的な制作できるツール「ジェネレーター」を提供する。キャラクターアイコンや挿絵などの画像は、ストリエに投稿された素材の一覧から選べるほか、作者が独自に作成したものアップロードして使用することもできる。