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カドカワの「N高等学校」、代ゼミと提携し大学受験を目指すコース「代ゼミNスクール」開校

 カドカワ株式会社は12日、学校法人高宮学園代々木ゼミナールと共同で、カドカワが2016年4月に開校を予定している「N高等学校」向けに、大学受験に特化した「代ゼミNスクール」を開校すると発表した。

(左から)SAPIX YOZEMI GROUP共同代表の高宮敏郎氏、カドカワ株式会社代表取締役社長の川上量生氏

 N高等学校は、スマートフォン/タブレットといったスマートデバイスと、ITを活用した授業システムを持つ通信制高校。卒業に必要な最低限カリキュラムを受けつつ、空いた時間を自分が興味のある分野に割くことができる。プログラミングやクリエイターなど、多くのバリエーションを持つ授業を展開するが、その1つとして大学受験に特化した学びの場を代ゼミNスクールで提供する。

 代ゼミNスクールでは、大学進学に特化した講座を学年に関係なく、個人に合わせたスケジュールで受講できる通学コース「フリーセレクトプラン」を提供する。これは、生徒自身のペースで好きな授業を受けられる映像授業や、ほかのN高等学校の生徒、予備校生とともに授業を受ける対面授業を組み合わせて、個々人に最適な受験勉強プランを構築するもので、代ゼミタワー(東京都渋谷区)と、併設された専用校舎において実施する。より詳しく学びたい場合や小中学校の基礎を学び直すために、1対1の個別指導を受講することもできる。

 フリーセレクトプランでは、専任の担任スタッフである「学びのプロデューサー」と、生徒の学習レベル(入学時に実施する国語・数学・英語のテスト結果に基づく)に応じて受講する講座や学習の進め方を相談し、最適な学習プランを構築する。保護者との面談も実施し、学習の進捗度や最新の入試情報を提供する。また、代々木ゼミナールオリジナルの学習管理システム「SMS(サテライン・マネジメント・システム)」が利用でき、学びのプロデューサー、保護者、生徒がインターネットを通して生徒の学習状況を把握することができる。

 講座は、教科書レベルのものから難関大学向けのものまで、2000以上の講座から生徒自身でセレクトできるほか、代々木ゼミナールの講師陣の中からお気に入りの講師を選ぶこともできる。また、学びのプロデューサーとの面談で各学期ごとの学習到達度を確認でき、講座のレベルアップなどが可能。1年生の間に受験に必要な教科書範囲を終了し、その後はセンター試験や志望校に特化した受験対策に集中することもできる。3年生で途中入学して、短期集中型で受験勉強するなど、自由度の高い学習プランが構築できる。

「代ゼミNスクール」とは、「N高等学校」の必要最小限の高校卒業カリキュラムにより、浮いた空き時間を受験勉強に特化するもの
「代ゼミNスクール」では、「フリーセレクトプラン」を提供
専任の担任である「学びのプロデューサー」が、大学進学の相談に対応。個々人の学習度合いから最適な学習プランを組み立てる
代々木ゼミナールが提供する総合学習管理システム「SMS」が利用可能
2000以上の講座から学習レベルに応じた授業を受講可能
通学日数は週1〜6日まで選択可能
各学期ごとに学習到達度を確認し、講座のレベルアップなども可能
「代ゼミNスクール」の生徒であれば「SAPIX YOZEMI GROUP模試」を無料で受けることができる
講座は勉強の目的別に4つのグループで構成される
国公立医学部を目指す場合のスケジュール例(1年次)
国公立医学部を目指す場合のスケジュール例(2年次)
国公立医学部を目指す場合のスケジュール例(3年次)
「代ゼミNスクール」の専用校舎
対面授業や個別授業は、専用校舎に併設されている代ゼミタワー(東京都渋谷区)で受講する
代ゼミ講師陣
募集要項。1月12日より募集開始

 費用は、出願料が1万円、入学金が5万円。授業料は通学日数によって変わり、週1日で年間27万円〜週6日で95万円。1日あたり4コマまで受講可能(映像・対面授業問わず)。入学時期に制限はなく、入学した月によって年間授業料も変化する。なお、個別指導に関しては別途費用が発生する。

 なお、N高等学校では、坪田塾との提携により、東京大学進学を目指す全寮制個別指導塾「N塾」を開講予定だが、代ゼミNスクールは、通常生徒として通学しながら通うことができる一般的なコースであり、拘束した環境下で東京大学進学を目指すトライアル的な取り組みのN塾と棲み分けされている。

「代ゼミNスクール」の学費
2月11日に代ゼミタワー(東京都渋谷区)にて説明会を開催する
代々木ゼミナール校舎などがN高等学校のスクーリング会場として採用され、全国12箇所に拡大
N高等学校の概要。坪田塾と共同で展開する「N塾」は、全寮制の個別指導塾であり、一般的な通学スタイルの「代ゼミNスクール」と棲み分けされている

N高等学校は生徒自身の目的を叶える学校、受験勉強にも目的を持つことは必要

 今回、代々木ゼミナールとの提携に至った背景として、カドカワ株式会社代表取締役社長の川上量生氏は、「N高等学校はあらゆるニーズに応える学校。それには大学受験も含まれており、通信制高校ならではの浮いた時間を大学受験のために費やせる仕組みも実現できる。この取り組みに賛同してくれるところを探したところ、高宮さんと意気投合して一緒にやることになった」としている。

 川上氏は、「N高等学校と代ゼミNスクールは受験勉強に最適な組み合わせ」とした上で、「通常の高校で授業を受ける生徒は、決められたカリキュラムで天下り的に与えられた授業を受けて卒業していくが、N高校では生徒がそれぞれ目的を持って勉強する。受験でも目的を持って勉強するのは大事で、自分にあった授業は何なのか、自分が目指す大学に何が必要なのか、生徒自身も一緒に考えていく」と述べた。

 代々木ゼミナールを運営するSAPIX YOZEMI GROUP共同代表の高宮敏郎氏は、「これまでたくさんの生徒の挑戦を応援してきた。挑戦するのが代ゼミのDNAなので、川上氏の挑戦に応えたいということで(代ゼミNスクールを)設立した」と述べた。

 また、「主体的な学びをサポートするのはとても大切で、ここには2つのキーワードがある」とし、「1つは教育の中でITを活用することで、IT企業と教育機関が一緒になって教育サービスを提供する必要がある。もう1つは多様性で、いろいろな学びをしたい人に今回の取り組みは最適である」と、ドワンゴを持つカドカワとの提携や、代ゼミNスクールへの自信を見せた。

(山川 晶之)