「G Data 2010」シリーズ、ホワイトリスト採用でスキャン高速化


G DATA Software日本法人のJag山本代表取締役社長

 ジャングルは、セキュリティ対策ソフト「G Data インターネットセキュリティ 2010」シリーズを9月17日に発売する。対応OSはWindows Vista/XP。Windows 7はRC版で動作確認済み。

 オープン価格だが、想定価格は「1年版/1台用」が3980円、「1年版/3台用」が4480円、「1年版/3台用 USBメモリ版」が4980円、「2年版/1台用」が5980円。ライセンス更新料金は、1台用1年が2480円など。

 「G Data インターネットセキュリティ 2010」シリーズは、ドイツのG DATA Software AGが開発した製品。ダブルエンジン(BitDefender、avast!)を搭載する。最新バージョンでは、ホワイトリストによる誤検知回避とスキャンの高速化を図ったほか、メモリ占有率を削減し、動作を軽くした。

1年版/1台用1年版/3台用1年版/3台用 USBメモリ版

CD・USBブートではOSにUbuntuを採用

メイン画面

 「G Data インターネットセキュリティ 2010」では、OSのシステムファイルや主要ソフト、スキャン済みで脆弱性に変更のないデータをホワイトリストに登録し、誤検知を回避すると同時にスキャン時間の高速化を図った。

 また、「フィンガープリンティングスキャン」機能を強化。同機能は、1度スキャンしたファイルに変化がなければ、スキャンをスキップするものだが、今回のバージョンでは2度目以降のスキャンをさらに高速化したという。

 メインメモリの占有率は50~70%に削減した。これまで、ファイルの認識や読み込みなど、OSでも行える部分もG Dataのプログラムで行っていたが、「OSに任せられる部分はOSで実行することで、メモリ占有率を縮小し、動作を軽快にした」とのこと。

 GUIもリニューアルしている。メイン画面でライセンス期間を確認できるようにしたほか、メニューの配置も改め、各操作に必要なクリック数を減らし、簡単に目的の機能まで辿り着けるようにした。

 CDブート・USBブート機能においては、OSにUbuntu(Linux)を採用して起動の高速化を図った。ブート機能でもダブルエンジンを搭載したほか、他社製品インストール中のPCでもスキャンできるようになった。

ホワイトリスト機能の概要スキャン時間の比較「G Data アンチウイルス 2010」Boot-CD/USB-Bootでのスキャン画面

ジャングルとの提携により売上げ拡大

 「G Data」の2009年版は2月に発売しており、今回は1年経たずに新バージョンの発売となった。なお、2010年版はドイツでは4月に発売している。

 これについて、G DATA Software日本法人のJag山本代表取締役社長は、「昨年の11月に今回のバージョンを『2009』として出したかったが、根本的な改善を行うために開発が間に合わなかった」と明かした。

 2月に発売した「2009」では「2008」のマイナーバージョンアップに留め、本来出したかったバージョンは「2010」として今回リリースすることになったという。「『G Dataは動作が重い』という印象を持たれているが、2009バージョンからかなり軽くし、2010でさらにチューンナップを行った」。

 また、ウイルス検出テストにおいては、複数の第三者機関や専門誌で99%以上の検出率になっていることを説明。例えば、「ウイルスブリテン誌はテスト日程が決まっており、そのときだけ検出率を上げるメーカーもかなりある。宣伝のために検出率を操作することが業界の悪しき風習として存在する」とした。

 新種ウイルスへの対応速度についても、「他社より早い」ことをグラフで説明。「G Dataは日本での知名度が低いため、他社のグラフではG Dataを省いた数字を出している。各社のデータにG Dataを加えて、相対的に見比べると面白い結果が出る」とした。

 「G Data」シリーズは、2009年版からジャングルで販売しているが、山本氏は、「ジャングルとの提携により売り上げ750%アップした」と話す。「ジャングルの営業力や、価格設定を変えたことが理由」だと説明。「半年でシェア1%を獲得した。今後2~3%まで増やすことを目指す」と話した。

オプション画面スキャン実行中の画面

ウイルス検出率をアピール新種ウイルスへの対応速度

 


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(野津 誠)

2009/9/2 14:00