あきない総研、大和SMBCキャピタルらとベンチャー向け投資ファンド
あきない総合研究所 吉田雅紀社長 |
あきない総合研究所は14日、IT系のスタートアップ期のベンチャー企業に特化した、小口分散投資を行うファンドを大和SMBCキャピタル、エンゼルキャピタルのほか、上場IT系ベンチャー企業や創業経営者との連携により設立すると発表した。
あきない総合研究所は2009年12月に起業家や起業準備中の個人を対象とした、ベンチャー支援プロジェクト「katana」サービスの開始を発表。独立に必要な「ヒト」「カネ」「モノ」に関わるリソースを提供するとして、第一弾としてのレンタルサーバーや会計ソフトなど「モノ」に関する支援サービスを発表していた。
今回発表したファンド「スタートアップ支援ファンドkatana-1号(以下katana-1号)」では「カネ」の面をサポートする。katana-1号ファンドの投資対象はベンチャーのスタートアップ期に特化し、原則設立後3年未満、時価総額5000万円未満のIT系企業、およびITを事業に活用している企業のみに限定する。
ファンド規模は2億円で、2010年1月設立でファンド期間は10年間。小口分散投資で、出資金額は初回100万円、最大500万円まで。追加出資は、当初の目標をクリアすることなどを条件に決定する。
あきない総合研究所の吉田雅紀社長は発表会で、「最初、このファンドをできないかと企画を書いた時は、万馬券ファンドと呼んでいた」として、実績もない段階の投資であることを強調。「このkatana-1号がうまくいって、スタートアップに特化したファンドがもっと出てくれば、マーケット全体で立ち上がる起業家を支援することができ、ひいては日本の国を変えることにつながると思っています。ひとつめのファンドでみなさんの期待におこたえすることでスタートアップを支援すると言う文化を育てたい」と述べた。
投資対象企業の選抜については、「立ち上げ間もない企業を対象とするコンセプトから、参考にする実績もないので、起業家(人物)を重視して出資していきたい」。また、出資先を選ぶことも重要だが、「まずは起業家にこのファンドを選んでもらえるようにしたい。このファンドからたくさんの新しいビジネスモデルを作る企業が生まれたと言われるようにがんばりたい」と述べた。
「人物を重視する」という点について、具体的には「僕が起業家を見るポイントの第一は、まず笑顔がいいこと。起業家は、最初は誰でも周りに支援してもらわなければならない。愛嬌は大事です。次に、自分の弱味や足りないところ、何が必要かという課題がはっきりわかっている。そういうことをきちんと言える素直な人がいい。次に、何がしたいかという事業の内容を見ます」とコメントした。
katana-1号に出資した大和SMBCキャピタル株式会社の代表取締役副社長 勝川恒平氏は、「通常であれば、実績もまったくないスタートアップ期のベンチャーを対象とした投資ファンドというのは難しい。実現にこぎつけたのは、情熱に燃えるわが社の若い人たちが、必死の思いでこのファンドのお手伝いをしたということが、出資にこぎつけた最大の要因」と述べた。
大和SMBCのほか、ミネルヴァ・ホールディングス株式会社と妹尾 勲氏が出資。テレビショッピングにかかわる業務全般を請け負い、起業から2年半で東証マザーズに上場して話題になった株式会社トライステージの起業社長である妹尾 勲氏は、個人の立場で出資に参加した。
右からあきない総合研究所 吉田雅紀 社長、katana-1号に出資した大和SMBCキャピタル株式会社の勝川恒平 副社長、ミネルヴァ・ホールディングス株式会社の中島成浩 会長兼社長、妹尾 勲氏 |
関連情報
(工藤 ひろえ)
2010/1/15 06:00
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