「週刊宇宙天気ニュース」試験配信、今後はYouTubeでも


週刊宇宙天気ニュースの配信サイト

 情報通信研究機構(NICT)は、世界で初めてだという宇宙天気を解説する番組「週刊宇宙天気ニュース」の試験配信を2月に開始した。視聴は無料で、今後はYouTubeでの配信も予定する。

 「週刊宇宙天気ニュース」は、太陽から電離層までの宇宙空間の電磁環境(宇宙天気)の概況と予報を伝える約4分間の動画コンテンツ。番組は今週の宇宙天気概況や来週の太陽・太陽風・地磁気・電離層の各予報に加え、インタビューコーナーなどで構成されている。

 NICTによれば、これまでも各国の宇宙環境研究組織がWebサイトやメールなどを通じて宇宙環境予測情報を提供していたが、専門性の高い情報であるため、一般には十分に活用されていなかったという。今回開始した番組では、宇宙天気情報をコンパクトにわかりやすく解説しており、「太陽から電離層まで宇宙天気全体の概況と予報が理解しやすくなった」としている。

 番組制作にあたっては、地方とも連携。東京・小金井にあるNICT本部で収録したHD映像を、NICTが運用する高速テストベッドネットワーク「JGN2plus」を使って非圧縮で伝送して、愛媛県にて映像編集をしているという。これにより、地方技術者の活躍の機会が広がるとともに、コスト面の効果があるなど副次的効果も期待できるとした。

 番組の視聴には、Flash Playerを使用。また、1920×1080ピクセルのHD画質の動画(WMV形式)も用意しているほか、ビデオPodcast版も配信する。このほか、YouTubeでの配信も準備が整い次第、開始する予定だ。

 番組は全16回で、2010年5月までの配信を予定。それ以降に関しては、番組の有効性や評価によって継続的に制作するかを検討する。また、民間放送での配信も検討するほか、動画にメタデータを貼るMPEG-7技術を使って、宇宙天気のセマンティックWebデータベースと連携するサービスの構築も進めるという。


番組の模様

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(村松 健至)

2010/3/19 12:07