ネットの違法・有害情報の通報窓口がきっかけの検挙が増加


 警察庁は16日、インターネット上の違法・有害情報の通報窓口である「インターネット・ホットラインセンター」における2010年上半期の通報受理状況を発表した。

 同センターが受理した通報件数は7万8130件(前年同期比25.1%増)で、このうち違法情報に該当すると判断したのが1万8542件(同75.4%増)、殺人など違法行為の請負や集団自殺を呼び掛けるなどの有害情報は5441件(同53.9%増)だった。

 同センターから違法情報として警察へ通報され、それを端緒として上半期中に検挙に至ったのは226件(同334.6%増)。中でも児童ポルノ関連が117件と、前年同期よりも110件増加しているほか、わいせつ物関連も54件で、同じく39件増加した。

 なお、警察庁では2008年10月より、インターネット上の違法情報を収集して同センターに通報する「サイバーパトロール」業務を外部委託している。違法情報とされた1万8542件のうち、3628件がサイバーパトロールからの通報だった。

 同センターからサイト管理者などに対して、違法情報として削除依頼を行ったのは9602件で、このうち7588件が削除された(削除率79.0%)。また、有害情報として削除依頼を行ったのは1477件で、このうち994件が削除された(削除率67.3%)。

 違法情報が掲載された2296サイトおよび有害情報が掲載された97サイトのうちそれぞれ半数以上のサイトにおいて、サイト内にメールアドレスなどの連絡先を掲載しておらず連絡先不明だったという。連絡先が判明しなかったサイトについては、上位のサーバー管理者などに削除を依頼している。

 警察庁では今後の課題として、関係事業者との連携促進を挙げ、「違法・有害情報の削除を徹底するため、サイト内に連絡先を明記するなど、センターとインターネット関係事業者とが緊密に連携するための仕組み等を検討し、事業者による自主的な違法・有害情報対策の促進を図る」としている。


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(永沢 茂)

2010/9/17 13:25