小松左京のSF「空中都市008」、声優の声付きiPad用ビジュアルノベルに


 株式会社オフィスエランとレールファンホールディングス株式会社は10月18日、SF作家小松左京氏の児童向けSF小説「空中都市008 -アオゾラ市のものがたり-(1-3章)」をiPad用のオーディオビジュアルノベルとして、iTunes App Storeで販売開始したと発表した。通常価格600円のところ、発売記念価格として1カ月間の期間限定で350円で販売する。

 iPadアプリには、小松左京氏本人が読者に向けたボイスコメントも収録されている。音楽はアニメ「うる星やつら」のBGMを手掛けた安西史孝氏が担当。スーパーバイザーとして向谷実氏も作品作りに関わった。テーマ曲歌唱は、NHK人形劇「空中都市008」テーマ曲も歌った中山千夏と初音ミクによるデュエットとなっている。

 登場人物のセリフ部分にはすべて声優によるボイスデータを用意。声優は、主人公ホシオにはアニメ「デュエル・マスターズ」で切札勝舞役の小林由美子、ツキコにはアニメ「鋼の錬金術師」でウィンリィ・ロックベル役の高本めぐみ、お友達ジニーにはゲーム「アイドルマスター」で秋月律子役の若林直美を起用した。

 小松左京氏の「空中都市008」は、1969年の初版から40年以上にわたって増刷を重ねており、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏が科学者を志すきっかけとなった愛読書としても話題になった。

 また、オフィスエランらは10月1日にオーディオビジュアルノベル推進企業団体「オーディオビジュアルノベル協議会(AVNC)」を発足。AVNCは、オーディオビジュアルノベルの製品および市場の育成と啓蒙活動を行うほか、開発の相談窓口も務めるという。

iPad用オーディオビジュアルノベル「空中都市008 -アオゾラ市のものがたり-(1-3章)」起動画面小松左京氏のボイスコメント
使いかたの説明
縦書き表示。カッコで囲まれたセリフ部分は、声優が演技する横書き表示

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(工藤 ひろえ)

2010/10/19 06:00