米Mozilla、Googleとのサーチエンジン契約を延長と発表


 米Mozillaは20日、デフォルトサーチエンジンをGoogleとする3年間の複数年契約を新たに締結したと発表した。

 MozillaのCEOであるGary Kovacs氏は「この複数年契約により、Googleサーチが引き続きFirefoxユーザーのデフォルトサーチプロバイダーとなる」とコメントした。

 Googleとの契約はMozillaにとって死活問題と考えられている。Mozillaが公開している情報によれば、2010年にはMozillaの総売り上げ1億2300万ドルのうち84%がGoogleとの契約によるものだったとされる。しかし、これまでの契約は11月に失効していたため、契約を更新できるのか、その行方に注目が集まっていた。

 また、アイルランドのアクセス解析調査会社であるStatCounterが、Google Chromeが初めて全世界シェアでFirefoxを抜いたことや、Google Chrome 15が一時的にInternet Explorer 8を抜いたことを発表しており、ブラウザー市場でGoogle Chromeが存在感を増してきていることも無視できない要因となっている。

 その中で契約を更新できたことはMozillaにとって朗報と言えそうだ。ただし、契約内容の詳細については、これまでと同様に秘密保持が求められており、「それらを公開する自由は与えられていない」としている。

 また、Googleのサーチ担当シニアバイスプレジデントであるAlan Eustace氏は「Mozillaは長年にわたるGoogleの大切なパートナーであり、これからの年月もこの素晴らしいパートナーシップを続けていきたい」とコメントしている。

 Google Chromeの存在感ゆえに、GoogleがMozillaとの契約を打ち切るのではないかとの憶測もあった。しかし、もしそうなれば、Googleが独占禁止法の規制対象になることは明白であることから、その可能性は低いだろうとする考え方が今のところ多いようだ。

 Mozillaは、Google以外にも個人や企業からの寄付を受けている。また、他のサーチエンジン、例えばMicrosoftのBingやYahoo!、ロシアのYandex、さらにAmazonやeBayとも提携関係を締結している。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/12/21 12:10