米Microsoft、「CESへの出展と基調講演は2012年が最後」と発表


 米Microsoftは21日、世界最大の家電展示会CES(Consumer Electronic Show)へのブース出展と基調講演を、2012年1月のCESをもって最後にすると発表した。Microsoftコーポレートバイスプレジデントで、コーポレートコミュニケーション担当のFrank X.Shaw氏が公式ブログで明らかにした。

 撤退の理由については、「Microsoftの商品発表のマイルストーンが、CESの開催時期である1月と合わないため」と説明。また、Microsoft自身が開催するイベントや、FacebookeやTwitterといったSNS、ウェブサイト、小売店などで顧客と接点を持ち、Microsoftの見解やニュースを発表する手段が多様化してきたことも理由として挙げている。

 MicrosoftはこれまでCESを重要な発表の場所と見なしてきた。例えば、2011年のCESでは、次期WindowsでARMアーキテクチャーをサポートすることを発表している。2005年のプレゼンテーションデモ中にブルースクリーンが表示されてしまった「事件」も、多くの業界関係者の記憶に残る。ビル・ゲイツ氏が引退を正式に発表したのも、2008年のCESだった。

 近年、Microsoftは発表の仕方を見直しつつある。Microsoftの主催するPDCやWinHECをまとめ、「BUILD Conference」としたことは話題になった。また、Microsoftの製品も多角化し、各製品の主要な発表場所も異なっている。例えば、Windows Phoneに関してはMobile World CongressやCTIAでの発表が期待されているし、ゲーム展示会のE3ではXboxがますます注目されるようになっている。

 Microsoftでは、今後もCESには関与し、パートナー企業や顧客企業に接する機会とするとしているが、CESからの事実上撤退を表明したMicrosoftが、2012年1月に開催されるCESで大きな新製品の発表を行うことは考えにくいという見方がでてきた。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/12/22 11:47