消費者庁、「コンプガチャ」は景表法違反と正式見解、7月1日以降は行政処分も


消費者庁表示対策課の片桐一幸課長

 消費者庁は18日、いわゆる「コンプガチャ(コンプリートガチャ)」と呼ばれるソーシャルゲームのアイテム販売の手法について、景品表示法に基づく告示で禁止されている「カード合わせ」に該当するという正式な見解を示した。消費者庁では、この見解を明確にするため運用基準を7月1日に改正する予定だ。7月1日以降は、コンプガチャを提供している事業者に対して行政処分などを検討していくとしている。

 「コンプガチャ」は、「ガチャガチャ」などと呼ばれる玩具の自動販売機のように、ソーシャルゲーム上でユーザーがどの種類のアイテムを購入できるかをわからない形で販売し、ユーザーが特定の数種類のアイテムなどをすべて揃えることで、別のアイテムなどを新たに入手できる仕組みを指す。

 景品表示法では、「景品類」を、1)取り引きに顧客を誘引するための手段として、2)取り引きに付随して提供されるもので、3)金銭その他の経済上の利益にあたるもの――と定義している。景品類の提供方法については、原則として景品類の最高額や総額によって制限しているが、複数の種類のカードなどをすべて集めることで景品類を提供する「カード合わせ」の手法については、金額などによらず全面禁止している。

 消費者庁では、コンプガチャで提供されるアイテムなどは、有料のガチャという取り引きに顧客を誘引し、取り引きに付随して提供されるものであると説明。また、提供されるアイテムは、消費者が何らかの便益などの提供を受けることができるもので、その獲得に相当の費用をかけるといった消費者の実態から見て「経済上の利益」にあたるとした。

 こうしたことから、コンプガチャで提供されるアイテムは景品表示法の「景品類」に該当し、コンプガチャの仕組みはユーザーが特定の種類を揃える必要があることから、景品表示法に基づく懸賞商品制限告示第5項で禁止されている「カード合わせ」に該当するものだとする判断を示した。

 消費者庁ではこの考え方を明示するため、携帯電話やインターネットで提供するゲームでコンプガチャの手法を用いてアイテムを提供する行為は「カード合わせ」に当たるとする文章を、懸賞商品制限告示の運用基準に加える改正を行うと発表。運用基準の改正案は、5月18日から6月18日までパブリックコメントを募集し、7月1日から施行する予定。

 運用基準を改正する理由は、「今回示した考え方を具体的に説明したもので、従来の規則を変えるものではない」(消費者庁表示対策課の片桐一幸課長)という。ただし、これまでは具体的な判断基準を示してこなかったということもあって、事業者に対する行政処分などの具体的な措置については、運用基準改正後の7月1日以降にコンプガチャのようなサービスを提供している業者があった場合に実施していくという。

 また、今回は景品表示法上の問題についての指摘となったが、高額な課金などその他のソーシャルゲームにおける問題については、消費者庁が立ち上げた「インターネット消費者取引連絡会」を通じて引き続き議論を進めていくとしている。

 運用基準の改正により追加される予定の項目は以下の通り。

4 告示第五項(カード合わせ)について
(1)次のような場合は、告示第五項のカード合わせの方法に当たる。
 携帯電話ネットワークやインターネット上で提供されるゲームの中で、ゲームのプレーヤーに対してゲーム中で用いるアイテム等を、偶然性を利用して提供するアイテム等の種類が決まる方法によって有料で提供する場合であって、特定の数種類のアイテム等を全部揃えたプレーヤーに対して、例えばゲーム上で敵と戦うキャラクターや、プレーヤーの分身となるキャラクター(いわゆる「アバター」と呼ばれるもの)が仮想空間上で住む部屋を飾るためのアイテムなど、ゲーム上で使用することができる別のアイテム等を提供するとき。

関連情報


(三柳 英樹)

2012/5/18 19:30