TwitterがAPI新バージョンへの移行を発表、利用数上限や承認など厳格化


 米Twitterは16日、サービスやアプリケーションなどからTwitterを利用するためのAPIについて、数週間以内に新バージョンとなる「Twitter API Version 1.1」の提供を開始し、利用ルールを変更すると発表した。

 Twitterでは、6月にAPIの利用ルールを変更する予定であることを案内しており、今回変更の概要を明らかにした。新たな利用ルールでは、すべてのAPIの利用に承認が必要になり、エンドポイントごとにリクエスト数の上限が設定される。また、開発者向けのルールについてもより厳格化する。現バージョンのAPIについては、新バージョンのAPIをリリースしてから半年後に廃止する。

 Twitter APIの利用については、現在は一定数までは承認なしでAPIを利用可能となっているが、新ルールではすべてのAPI利用について承認(OAuthによる認証)が必要となる。OAuthなしでTwitter APIを利用している場合には、2013年3月までにアプリを更新する必要がある。また、すでにOAuthを利用している場合には、現在利用している認証トークンがそのまま新バージョンに引き継がれる。

 Twitterでは承認を求める理由について、一般のアプリがデータをよりスムーズに利用できるよう、悪意のある利用を防ぐとともに、どのようなアプリがAPIにアクセスしているのかを把握することが目的だとしている。

 APIのリクエスト数については、現在はアプリが利用する情報のタイプを問わず、リクエストの上限は1時間あたり350回までとなっている。新ルールでは、この上限を1時間あたり60回までに制限する一方、利用頻度の高いツイートの表示やユーザーの検索などについては1時間あたり720回までとする。Twitterによれば、ほとんどのアプリは1時間あたり60回以内の利用で、この措置により悪意のあるアプリを排除しやすくなるとしている。

 開発者ルールの変更では、ユーザー名やリツイート、返信、お気に入りなどのアクションをはじめ、アプリ上にツイートを正しく表示することを開発者に求める。また、モバイルデバイスなどにプレインストールするクライアントアプリについては、Twitterの承認が必要になる。

 利用者数が大規模なアプリやサービスについても、100万以上のトークンが必要となる場合にはTwitterへの連絡を求める。また、現在10万以上のトークンを利用しているアプリについても、利用数が現在の2倍以上に達した時点でTwitterの許可を得る必要があり、許可を受けない場合には利用を拒否することはないが、新規ユーザーの追加は行えなくなるとしている。


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(三柳 英樹)

2012/8/20 12:58