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米Nielsenと米Twitterが「ソーシャルテレビ視聴率」開発で排他的合意

 世界的なメディア・情報企業で視聴率測定で知られる米Nielsenと米Twitterは17日、米国では初めてとなるTwitterによるソーシャルテレビ視聴率「Nielsen Twitter TV Rating」開発で合意したことを発表した。契約は排他的な複数年契約で、新視聴率は、2013年秋のテレビシーズン開始時の商用化を予定する。

 類似商品は各国で試みられており、今年10月には電通子会社のビデオリサーチが、Twitter上でのテレビ番組への反応を測る指標整備への取り組みを発表している。

 今回の発表で注目されるのは、世界的視聴率測定企業のNielsenが、世界最大のテレビ市場米国で、標準となるようなソーシャルテレビ視聴率商用化に乗り出した点だ。Facebookではなく、Twitterと排他的な契約をしたことも興味深い。

 新指標となる「Nielsen Twitter TV Rating」は、Nielsen子会社NM Inciteが10月に買収したSocialGuideを強化するものだ。SocialGuideは、米国内の英語、スペイン語計234チャンネルを監視し、関連したツイートを見分け、分類し、計測している。NM Inciteは、米Nielsenと米コンサルティング大手のMcKinsey & Co.との合弁会社だ。

 「Nielsen Twitter TV Rating」はSocialGuideを更に強化し、テレビに関連したソーシャルアクティビティー全体の測定を目指す。オーディエンスの大きさ、つまりツイートした人数だけでなく、ツイートを見た人数も測定する。それによってソーシャルテレビがテレビ番組に与える効果を測定する。

 ソーシャルメディアとテレビの関係についての計量化を行っているのはNielsenだけではない。Twitterとの関連ではTrendrr、Bluefin、Viggleなどのベンチャーが関連した商品開発を行っている。NielsenとTwitterの提携が排他的であるため、今後こうした企業がTwitterへのデータアクセスを許されるのかどうかを含め影響は大きい。

 また、ソーシャル最大手米Facebookの動向も無視できない。実際Nielsenは2011年にはTwitterだけでなく、Facebookとともにソーシャルメディアの測定調査プログラム実施で提携していた経緯がある。Facebookが類似した関心を抱いているのは当然のことだろう。

 様々なソーシャルメディアが存在するとはいえ、現時点でテレビ視聴者がチャットする手段としては、Twitterがデファクトスタンダードになったといっても過言ではないだろう。今後は一人一人のTwitterにおけるツイートがテレビ番組の内容に影響を与える時代が来るのかもしれない。

(青木 大我 taiga@scientist.com)