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Androidスマホの中をWindows PCから管理できるソフト、ヤフーが無償公開

 ヤフー株式会社は19日、Windows対応の無償ソフト「Yahoo!スマホマネージャー」を公開した。USBケーブルで接続したAndroidスマートフォン内の各種データを管理・バックアップできるユーティリティ機能と、楽曲やアプリなどを購入・ダウンロードできるデジタルストア機能を備える。Windows 7/Vista/XPに対応しており、Yahoo! JAPANのサイトでダウンロード配布している。

 iOSにおけるiTunes的なソフトを、Androidユーザーに提供するもの。ACCESSPORT株式会社が開発したプラットフォーム「Tapnow」をベースにWindowsソフトを開発し、Yahoo! JAPANブランドで提供するかたちだ。

 Yahoo!スマホマネージャーを利用するにあたり、スマートフォン側に専用アプリのインストールは不要だが、Androidの設定画面でUSB接続モードをカードリーダーモードにするとともに、アプリ開発オプション設定においてUSB接続時のデバッグモードを有効にしておく必要がある。また、Google Playではないマーケットからアプリをダウンロードすることになるため、提供元不明のアプリのインストールを許可する設定にしておく必要がある。

 一方、Windows PC側には、Yahoo!スマホマネージャーのアプリケーションプログラムのほか、最初にスマートフォンをUSB接続した際にACCESSPORT製のドライバーが自動的にインストールされる。現時点で国内のAndroidスマートフォン約130機種(Andoid 2.2以上)に対応しており、対応機種の一覧も公開している。

 管理したいスマートフォンをPCにUSB接続すると、Yahoo!スマホマネージャーの画面左側にスマートフォンの画面がエミュレーター風に表示され、これを見ながらリモート操作する感覚だ。内部メモリやSDカードの容量、バッテリー残量も表示される。画面右には、スマートフォンにインストールされているアプリなどのアイコン一覧や、保存してある写真や楽曲などの件数が表示される。

 ユーティリティ機能としては、 スマートフォン内に保存してある写真や動画、楽曲、文書などのファイルをPCにバックアップできるほか、フォルダーの新規作成やドラック&ドロップによる移動、削除といったファイル管理が可能だ。インストールしてあるアプリをPC上からアンインストールする操作も行える。

 スマートフォン内の連絡先(電話帳)とショートメッセージ(SMS)のデータをPCにバックアップできるボタン、逆にPC内にバックアップしていたデータを使って連絡先を復旧するボタンもある。

 連絡先はPCの広い画面で入力・編集・管理が行えるほか、SMSについてはPC上の操作でスマートフォンの連絡先宛にメッセージを入力・送信できる機能もある。

 デジタルコンテンツストア機能としては、「Yahoo!マーケット」と「TapnowMarket」を通じて、無料・有料の約1300アプリを提供する。また、「Tapnowミュージックストア」を通じ、楽曲のダウンロード販売も行う。

 現在、ミュージックストアで販売している楽曲はエイベックス・マーケティング、ワーナーミュージック・ジャパン、アップフロントワークスの約35万曲。今後、他のレコード会社にも拡大し、2013年3月ごろまでには100万曲をラインナップする見込みだ。価格は1曲250円前後、アルバムが2000円前後。DRMフリーのMP4フォーマットで、ビットレートは320kbps。

 このほか、「Tapnow壁紙ストア」を通じ、アイドルやタレント、キャラクター、風景画などの無料・有料の画像も提供する。

 有料コンテンツの利用にはYahoo! JAPAN IDが必要で、決済方法はYahoo!ウォレット、クレジットカード、キャリア決済、永久不滅ポイントに対応する。

 なお、購入した楽曲やダウンロードしたアプリのファイルはいったんPC内に保存され、それがUSB経由でスマートフォンにコピーされる流れとなる。もともとPCに保存してある楽曲や写真などのファイルをスマートフォンにコピーすることも可能だ(Yahoo!スマホマネージャーをインストールすると、Windowsの右クリックメニューに、ファイルを「端末へ共有」するためのメニューも追加される)。

 ただし、iTunesにあるようなCDのリッピング機能やプレイリスト管理機能などは備えていない。また、デジタルコンテンツストアで提供しているのはアプリ、音楽、壁紙のみとなっており、ヤフーが別途展開している電子書籍や動画配信のサービスとは連携していない。

(永沢 茂)